公開日:2023/05/18

最終更新日:2023/08/04

設備の消耗品交換についての新たな考え方
~大手電力7社6月からの電気料金値上げを受けて~

先日は、コンプレッサにおける電力使用の「実態」と、省エネ改善ポイントとして重要な「運転システムの構築」についてお伝えしました。
今回は省エネ改善ポイントの第2弾としまして、昨今の電気代事情を踏まえた「設備の消耗品交換」についてまとめましたので、是非ご一読ください。

当たり前となっている消耗品の交換基準

皆様は普段、生産設備・インフラ設備の「消耗品の交換」は、性能の低下防止や設備への悪影響、効率維持目的のために「各メーカーの推奨時期」に実施されているかと思います。
もしかしたら、メーカー推奨なのであまり考えずに・・・と言う方もおられるのではないでしょうか?

ですが、今となってはメーカー推奨のタイミングでの交換では時代遅れとなるかもしれません。
消耗品交換に潜む、見落としがちな無駄に関して見ていきましょう。

時代の変化と、新しい価値観の出現

結論から申し上げると、ひと昔前とは異なる大きな情勢の違いが2つあります。
1つ目は、この数年間で電気料金が高騰したことです。奇しくも先日、電力会社大手7社が6月使用分からの電気料金値上げを申請し、政府が了承したニュースが報道されました。今回の対象は家庭用電力ですが、事業用電力も今後さらに上昇していく可能性をはらんでいます。

数年前までの電気料金は、¥14~17/ kwh でしたが、ここ数年で¥20台後半/kwh にまで値上がりしています。
2020年比で約2倍値上がりとなっており、要因としては、燃料高騰に伴う燃料費調整額の値上げ、国内の電力供給不足による電力供給のひっ迫、再エネ賦課金の大幅な値上げが考えられます。

今までは消耗品の交換は、当然の様にメーカー推奨交換時期に準じて交換していたユーザー様がほとんどかと思われます。
ですが、この電気料金の高騰を受け、推奨時期での交換では今となっては「損」となっているかもしれません。

なぜなら、そもそも一部の消耗部品の交換は、劣化や目詰まりによる「比動力費の悪化」をある程度の所で切り上げる目的で行なっています。
故に交換時期前であっても、劣化と比動力費の悪化は着々と進んでいるのです。
過去の基準で設定された推奨時期に交換していては、もしかしたら、それ以前から予想を超える電気効率の悪化を引き起こしている可能性があるのです。
言い方を換えますと、過去は部品交換のタイミングでの比動力費の悪化による電力ロスよりも、交換部品費用の方が高かったかもしれませんが、今の時代では、交換費用よりも、電気料金の高騰を原因として、電力ロスコストの方が高額になっている可能性があります

2つ目は「事業におけるGHG排出」という考え方の出現です。
今後、GHG排出量に応じた「炭素税」の付加や市場が削減計画達成を求めることになるでしょう。
そうなると高騰した電気代だけでなく、事業における環境負荷に対する対応コストも追加されることになるのです。

具体例から検証してみましょう

コンプレッサ設備の消耗品の一つ、「吸込みフィルターエレメント」の事例を見てみましょう。
新品の場合、交換時、交換時期を過ぎた場合での、吐出空気量や消費電力などを、以下の図を参考に比較していきます。 新品の場合と比べると、交換推奨時期を迎えた際の電気代は+¥37,654となっておりますが、直近の電気料金の高騰により+¥62,018も無駄な電気代がかかっていることになります。
吸込みフィルターエレメントの交換費用は各社それぞれかと思いますが、仮に5万円とした場合、電気料金が¥17/kwhの時代には交換費用の方が高かったため、交換推奨時期まで待って交換されていたかと思います。
しかし電気代が高騰した今では、無駄な電気料金が多く掛かっているため、交換推奨時期の1~2か月前に交換をし、電気料金を¥60,000/月を浮かせた方がコストも安く、さらに環境に良いということになります。
吸込みフィルターエレメントだけでなく、「油回収エレメント」の場合も同様です。以下の図をご参照ください。

最適な交換時期を見直しましょう

先ほども書かせていただいたように、消耗品の交換は、劣化や目詰まりによる比動力費の低下を、ある程度の所で切り上げる目的となっているため、推奨交換時期の前であっても劣化と比動力費の低下は進んでいるのです。
そのため、先ほどのコンプレッサエレメントの例のように、交換推奨時期の前から無駄な電気代を掛かっている可能性があります。
この機会に今一度、各消耗品の交換時期を見直してみるのはいかがでしょうか。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

記事制作協力:コベルコ・コンプレッサ㈱

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  2. ② 実践・工場省エネ コンプレッサ運転システムの構築
  3. ③ 設備の消耗品交換についての新たな考え方 ~大手電力7社6月からの電気料金値上げを受けて~
  4. ④ 工場省エネ提案 ~エアー漏れ対策の重要性と効果~
  5. ⑤ 工場省エネの実現に向けて ~コンプレッサの吸込み空気温度と配管設計~

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専門領域であるプラスチックを基軸に、サステナビリティを実現するためのソリューションと、業界を横断した情報を展開する。