公開日:2023/06/27

最終更新日:2023/08/04

工場省エネ提案
~エアー漏れ対策の重要性と効果~

製造業の皆様にとっては分かっているけど、なかなか撲滅できない課題としてエアー漏れの問題があるのではないでしょうか?
ご自身の工場内を歩いているとき、作業しているときに、配管からシューシューと音を立てて、エアーが漏れている。 都度修理しているものの、特に長い年月を経た工場ではこれをゼロにすることは容易ではありません。

しかし、人が聞こえるぐらいの音を立てている場合は、相当なエアが漏れています。
永遠の戦いともいえるエアー漏れ対策ですが、諦めずに一つ一つ処置をして行く事は大きなコスト改善とGHG排出量の低減に繋がります。
今回は地道でもしっかりと効果を出すエアー漏れ対策についてレポートしたいと思います。

どれぐらいのエアーが漏れているの?

エアー漏れは当然良いことではないと理解できます。
では、そもそもどのぐらいの量のエアーが漏れているのか、みなさんは把握されておりますでしょうか。

エアー漏れは、配管の腐食(ピンホール)・継手部・空気圧機器内等で発生しますが、箇所ごとの漏れ量を測定することは極めて困難です。
そのため、エアー漏れ量を把握するために、全体・ラインごとの漏れ量を把握することが大切になります。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今までは配管を流れる空気量を測定するために配管を切る必要がございましたが、今では配管の外から空気量を測定することが可能となっております。
これを活用するとどの程度の損失が出ているかを把握できますので、より改善へのプライオリティを高めるきっかけになるかと思います。

しかし、この計測器の購入(業者様への測定依頼)には結構なコストがかかってしまいます。 でもご安心ください。実は、計測器を使用しなくともエア漏れ量を知る方法があるのです!

エアー漏れ量の計測方法

測定器を使わずにエアー漏れを計測する方法をご紹介します。
まず工場が稼働していない時間帯に、所有するコンプレッサを稼働していただきます。 そうすると、コンプレッサは一生懸命圧縮空気を作って送り続けます。 つまり工場が稼働していないのにもかかわらずコンプレッサが空気を送り続けるということは、エアー漏れのために仕事をしているということになります。
例えば、、、10㎥/minの能力のコンプレッサを工場が稼働していないタイミングで運転をかけると、ずっと30%の負荷がかかった状態で運転を続けている。ということが分かったとします。
つまり3㎥/minのエアがどこからか漏れているということになります。

ではその負荷率はどうやって求めるのでしょう。
インバーター機を使用しているお客様はラッキーです。なぜならインバーター機のモニターに現在の運転負荷率が表示されているからです。
ただ、小型のインバーター機の場合は負荷率そのものではなく、モーターの回転数で表示される場合もあります。この場合はモーター回転比で確認すれば把握できます。
油冷式スクリューのインバーター機の場合は、回転率=負荷率と比例するのです。
例えば、3,000回転で100のコンプレッサが、今1,500回転の場合の負荷率は50%になります。

画像提供:コベルコ・コンプレッサ株式会社

インバーターを使用していない会社はどう計算するの?

前段落では、インバーターを使用した負荷率の測定方法をお伝えしました。
いやいや、うちはインバーターなんて使っていないよ!というお客様、他にも方法がございます。

油冷式スクリューのアンロードタイプの場合、電流値のみ、吐出圧力のみで計測する方法もございますが、そこまで正確ではないのでそれで判断されるのは少し危険です!
吸込み真空圧力を見ることによってコンプレッサの負荷率が正確にわかります。
100%運転時(空気調整弁が全開の時)の吸込み圧力と、出口のバルブを全て締め切った場合の真空圧力をそれぞれ確認できれば、運転時の負荷率が比例するのでインバーターがなくても負荷率が分かります。
例えば、吸気調整弁が全開の時の吸込み圧力が-2KPa、運転時の吸込み圧力が-90Pka、吸気調整弁が閉じているときが-28KPaの場合、下記の計算式を利用すると負荷率は70%になります。

画像提供:コベルコ・コンプレッサ株式会社


また、ロード/アンロード方式の場合は、下図のように運転している延べ時間Tと一生懸命ロード(圧縮)している時間をtとし、このTとtの時間比がそのまま負荷率になります。

画像提供:コベルコ・コンプレッサ株式会社

地道なれど最新のGHG削減ソリューションに負けない大事な改善

エアー漏れの対策は、過去より製造現場では当然のように行われ、そして撲滅が難しい課題です。
しかし、これまで感覚的に「エアー漏れはダメだ」とされて来た伝統の様な課題感に加えて、その影響度を測定し、マネタイズし、GHG数値に置き換えて見てはどうでしょうか?
高額な最新設備やソリューションを入れるよりも、お手軽に低コストで改善できるかも知れません。

省エネに関する調査を行うと過去からある改善手法に行きつくことが多くあります。これまで優先順位の低かったこともエネルギーマネジメントの観点から見ると大きな意味を成すことがあります。
そんな気付きの様なソリューションもこれからレポートして行きたいと思います。

記事制作協力:コベルコ・コンプレッサ㈱

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