機器のエネルギーロス5~15%低減。
環境保全にも貢献するノイズカットフィルター「ENEPLATE®」

電子機器やシステムの性能を最大限に引き出すためには、ノイズの問題を効果的に解決することが不可欠です。
legami株式会社が開発したノイズフィルターENEPLATE®は、低周波領域の高調波を下げることで力率改善や電力使用量削減を実現。SDGsが掲げるエネルギー効率の改善にも取り組んでいます。

手軽で工事レス。ENEPLATE®とは?

周波領域の高調波を下げると、使用電力量を低減できる。
これは既知の事実であり、力率改善や電力使用量削減につながる機器品として「交流リアクトル」「高調波チョークコイル・リアクタ」「高調波抑制装置(アクティブフィルター)」などが今でもあります。
しかし、それぞれ電源工事が必要で、専用設計では高額になることや、故障時のバックアップ回路設計も必要なことなどが課題としてあり、手軽で工事の必要のない対策品が求められていました。
この背景を受けて新たに誕生したのが、工事レスノイズカットフィルター「ENEPLATE®」です。
低周波域の高調波低減に特化した専用設計で、ノーヒューズブレーカーの出力側に貼り付けるだけ。機器のエネルギーロス5~15%低減(メーカーの社会実験/テスト計測より)を実現しています。

画像提供:legami(株)

電気使用量が多い施設ほど、削減効果も大

ENEPLATE®を使用することのメリットは、簡単かつ効果的だということ。
電気工事なしで後付けするだけ。シンプルかつコンパクトな設計で設置スペースの増設なし。面倒な計算や配線作業がなく、既存のシステムを変更する必要もありません。
電源容量(√3×電圧×電流)×力率=消費電力という計算式から、力率が小さい場合は大きな電源走措置が必要ですが、力率が大きいと小さな電源設備容量で可能なのです。
また、高調波ノイズを多く発生する機器ほど効果が高いことも特徴です。一例として、福岡銀行で行った社会実験では、1年以上にわたり実施店舗と未実施店舗の電力消費量の差を計測し続けました。
※主に、空調機とOA系(ATM)電源がメイン消費
結果、実施店舗は前年同水準の消費量だったのに対して、未実施店舗は6〜8%電力消費量が伸びていました。この差分がENEPLATE®の効果だと考えることができます。
他にも、工場の生産機器・搬送機器・空調、送風、冷却機器系統や、稼働時間が長く空間が広いGMS、CVS、アミューズメント施設、飲食店、ホテル等でより高い効果が期待できると考えられています。

画像提供:legami(株)

さまざまな機関と共同研究や解析を実施

ENEPLATE®の構造がノイズを抑え、力率を改善することは、さまざまな機関との共同研究や解析を通じて確認されています。
日本最大級のオープンサイトである篠山EMCサイト(Panasonicプロダクト解析センター)での試験では、電源高調波の国際規格であるIEC61000-3-2に基づいての試験が実施されました。
教育訓練された専門技術者による信頼性の高い試験で、約5.44%の電力削減という測定結果(ENEPLATE貼付け無し22.965[W]→有り21.779[W])が出ているのも大きな成果です。
今後の展望としては、電源高調波を抑えるENEPLATE®の技術を流用することでさまざまな事象を改善できる可能性があります。
例えば、設備や装備の小型化、電波の送受信などの精度の向上、連続駆動時間の向上などを目指し、今後も研究を重ねていくそうです。

SDGsの持続可能な開発目標にも取り組む

今までにない素材の特性を生かしたノイズフィルターである、ENEPLATE®。
電源高調波を下げることにより使用電力量の削減効果があることを今回ご紹介しましたが、結果的に二酸化炭素の排出量減少につながり、環境保全にも貢献できています。
そのため、SDGsの持続可能な開発目標である「エネルギーをみんなに そしてクリーン」を意識し、2030年までに世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させることにも重点的に取り組んでいます。
電源高調波は、全世界共通の問題です。国内外問わず、余分な電力を消費しているという状況が生じているため、ENEPLATE®を広げていくことで、電源高調波が及ぼす影響に対する認知度も向上することが期待できます。

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plaplat編集部

化学品専門商社:長瀬産業グループのメンバーを中心に構成。
専門領域であるプラスチックを基軸に、サステナビリティを実現するためのソリューションと、業界を横断した情報を展開する。