公開日:2023/03/27

最終更新日:2023/08/03

誰でも、その場で、プラスチックを分類
「樹脂判別ハンディセンサー」が見通す
資源循環型社会の未来像

プラスチックには色々な種類がありますが、いま目の前にある、あるいは手に触れている製品が、何という種類のプラスチックから作られているか分かりますか?
見た目では判別することが難しいプラスチックを、たったの2秒で見分けられることによって、私たちとリサイクルの関係は変わるかもしれません。

プラスチックリサイクルの現状

日本では、年間で約800万トン以上の廃プラスチックが排出され、約700万トンがリサイクルされていると言われていますが、そのほとんど(約500万トン)は廃プラを燃やし、発生する熱をエネルギーとして再利用する「サーマルリサイクル」で処理されています。
廃プラを溶かして加工し「再生プラスチック製品」をつくることが、一般的なリサイクルのイメージかもしれませんが、 これは「マテリアルリサイクル」と呼ばれる処理方法で、リサイクル量全体の2割※ほどにしかすぎません。

※㈳プラスチック循環利用協会.「プラスチック再資源化フロー図」,参考_2023.3.27. https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf2.pdf

安心安全に使用できる「再生プラスチック製品」をつくるには、素材となる廃プラスチックにも一定の品質が求められます。異物や異素材が混在しては品質が安定しませんので、プラスチックを種類別に分け、洗浄などを行なった上で加工する必要があります。

分別を簡単にし、再生利用を促す

たとえ使い捨てとなる食料品の包装容器であっても、使いやすさや耐久性などを考えた設計がなされ、それに合うプラスチックが選定され使われています。それらを正確に分類し回収するには膨大な時間や手間がかかるため、分類が難しい廃プラは、ほとんどがサーマルリサイクルされているのです。
熱エネルギーを利用するとはいえ、サーマルリサイクルには「枯渇性資源の消費」と「地球温暖化ガスの排出」という環境負荷がともないます。
廃プラの分別を簡単にし、再生利用を促す、という課題に対し、リコーは「樹脂判別ハンディセンサー」を開発しました。 判別可能なプラスチックの種類は13種で、日本で生産されているプラスチックの8割以上を網羅しております。また、複合素材の混合比率算出に対応するなど、機能拡充を進めております。
片手で持てるサイズのセンサーを廃プラにかざすと、わずか2秒スマホに測定結果が表示されるという手軽さを備えながら、光学機器メーカーとしての独自技術と、長年の循環型社会実現に向けた取り組みを背景とした、リコーが世の中の社会課題に向けて一石を投じる新製品です。

画像提供:株式会社リコー

実証実験で見えてきた、現場のメリット

この樹脂判別ハンディセンサーの活用場所の一つとして、自動車、電機、食品などの製造工場を想定しています。
製造過程から出るさまざまな廃プラは、分別管理されているとリサイクル業者が有価で引き取ってくれる場合も多いですが、分別がなされていないものは、廃棄処理費用を支払って回収してもらうケースが多いです。
工程で使用する資材や、発生した不良品などは、基本的には調べればどのプラスチック種なのか分かるものではありますが、仕入れ部品や材料の梱包資材やトレーなど刻印等の表示がないものや端材など、すぐに確認することが難しいものは、まとめて廃棄されているケースがあります。
時間をかけずに、だれでも正しく廃プラを分別することができれば、有価で販売できる廃プラが増え、廃棄費用を抑えることができます。

また、樹脂判別ハンディセンサーは、製造工場での分別管理だけではなく、それを回収するリサイクル業者側での活用も想定されます。
回収先で種類の分からない廃プラがあると、サンプルを持ち帰り、調べてから後日見積をすることになりますが、その場で判別できるようになると、効率を大幅に上げることができます。

循環型社会実現へ、リコーの挑戦は続く

この樹脂判別ハンディセンサーは、リコーのサーキュラーエコノミーの実現に寄与する活動をさらに広げていく上での土台になると考えます。
今後さらに、サーキュラーエコノミーの大きな絵を描いていきます。リコーが循環型社会の一部分に寄与したと言えるような結果を残すために、まずはこの製品を確実に世の中に浸透させ、リコーだけではできないことも、パートナーとも協力しながら実現し、サーキュラーエコノミーをさらに推進していきます。
プラスチックリサイクルの可能性を広げる樹脂判別ハンディセンサーが今後、リコーの循環型社会実現へのチャレンジを、さらに加速させていきます。

お問い合わせ

profile

田山 紀彦(たやま のりひこ)

株式会社リコー 環境・エネルギー事業センター
事業推進室 商品サポートグループ

https://industry.ricoh.com/handy-plastic-sensor