豪雨で水害となる「雨水」を、逆転の発想で味方にする舗装材

近年、集中豪雨の増加や森林の減少による保水量の低下、都市部でのアスファルト舗装の整備の拡大などにより、都市の雨水の許容量が低下しています。
これらを要因として下水道や排水路から水があふれだす「都市型水害」を解決する、重さ1.53kgのポリプロピレン資材があります。

オランダ生まれの砂利舗装材との出会い

北海道に本社を構える建築建材商社、株式会社ヤマチコーポレーションは、独自ルートで仕入れた国内外のニッチな建築資材を日本・アジア圏に展開しています。
海外には、サスティナビリティマインドで開発された資材が多く、日本の風土に合う商材を発掘し展開することに注力しています。
その中で注目を集めているのが、「グラベルフィックス」という、砂利敷の路面を固定し安定させる、ポリプロピレン製の舗装資材です。
わたしたちは当初、「日本では見たことがない」というニッチさと、運搬に優位な軽量設計から、直感的に取り扱いを決意しました。
その後、開発者の「環境に本気で取り組む姿勢」に惚れこみ、日本で積極的に販売するべく、関東事業所を開設し、北海道から沖縄までの日本全国は勿論のこと、アジア圏へ進出も視野に入ってきました。


日本での需要は、意外なところに!?

砂利といえば日本では厄介者です。それを、「砂利なのに歩きやすくなる」という逆転の発想を教えてくれたのが、この、砂利舗装材「グラベルフィックス」でした。
しかしその商品開発構想には、単なる砂利を道の主役にするという目的だけはなく、「地球に地下水を溜める」というサスティナブルな思考がありました。
道を砂利に変えることにより、雨水を溜めることが可能となり、水害の抑制や排水路の確保などの軽減につながるのです。

「環境共生」の考えが行き渡っていなかった日本では、その重要さがあまり理解されてこなかったのですが、歩きにくい欠点のある砂利道が、工夫により歩きやすくなれば、車いすやベビーカーでの公園の散歩も容易になります。
また雑草が生えづらい構造であるため、清掃の時間がかからなくなり、庭の手入れも楽になります。
私たちは「すべての人にやさしい砂利道を作ることができる」というキャッチコピーを掲げ、まずは「歩きやすい砂利道」として営業を開始しました。
すると、造園・エクステリア業界の方に少しずつ認知されていき、そして導入5年目で寺社仏閣での大規模物件に採用されるようになりました。
「寺社仏閣は、建築物を取り巻く空間デザインに砂利を扱うことが多いものの、歩きづらく、結局アスファルトにするという選択肢しかなかった。
アスファルト敷きは景観が損なわれ、しかも水をはじいてしまうので、それを解消できた。」と御住職に喜んでいただきました。


サスティナブルの掘り下げは多方面に

砂利舗装材「グラベルフィックス」は、厳しい評価墓準をクリアし、環境性に配慮された商品にのみ与えられる「CRADLE TO CRADLE シルバー」の認定を、生産国であるオランダで受けています。
いわゆるサーキュラーエコノミーの精神に則った製品ということが認められているのです。
その精神に共感した設計従事者へ口コミで広がり、日本三大庭園「偕楽園」の遊歩道への採用が決定しました。これを機会に、日本が世界に誇れるランドスケープデザインへの採用が広がっていくものと思います。

また製品色は、当初ホワイト色だったものをグレイ色に変更。
製品ラインナップある、重車両が該当する耐荷重100t/㎡の「プロ」タイプと乗用車程度の耐荷重60t/㎡の「ライト」タイプの両方が再生プラで対応できることとなり、さらにPRポイントが増えました。
公共案件から戸建て住宅まで、幅広いニーズに対応できるように、EC販売もスタートしました。
プラスチックの特性である一枚あたり1.53kg(プロタイプ|1176㎜×764㎜)という軽量さが、DIY需要を呼び込み、お客様自身が自宅の駐車場を施工したりと、建築資材は職人施工ありきという固定概念の脱却にもなっています。


北海道から日本全国、そしてアジア全圏へ

その「グラベルフィックス」を販売する営業チームは東北から沖縄までをたった2名ですが、販売開始10年でアジア圏の販売拡大も視野に入ってきています。
また、この資材で学んだ考えをもっと日本に広めようと、タイル舗装材「ビートブロック」を開発しました。
この商材は、より供給しやすい体制を実現するべく、日本で製造し、ジャパンクオリティを極めています。
地盤材はポリプロピレン製で、強固な舗装面を築く枠材とタイルの構成で作業短縮も図れています。もちろんタイルの間から雨水を浸透させ、地下水を溜める構造も取り入れています。
建築資材から顧客のお困りごとを学び、それに合わせて販売してきた経験は、決して順風満帆ではありませんでしたが、プラスチックの良さと環境性能とを融合してPRしたきたことで、広くファン層を拡大することができています。
我々はこれからも新たな視点や発想で環境改善できる商材を発掘、開発して行きたいと考えています。

お問い合わせ

profile

MYKE

<所属>株式会社ヤマチコーポレーション
 

<専門分野>エクステリア建材、輸入建材、外装材、環境資材

<紹介文>MYKEは、“いいもの”を世界中からセレクトする建材ブランド。建築の価値を高めるモノ・コト・ヒントをセレクトしています。