公開日:2023/06/30

最終更新日:2023/08/04

クリーンエネルギーを有効利用した
高品質「低温粉砕」加工技術について

LNG(液化天然ガス)は、石炭や石油に比べ、地球温暖化の要因の1つと言われる二酸化炭素の発生量が少なく、不純物をほとんど含まないクリーンなエネルギーです。そのLNGの冷熱を活用し、さまざまな原料を高品質パウダーにすることが可能な「低温粉砕」をご紹介します。

低温粉砕と常温粉砕

液体窒素(-196℃)の極低温を利用した粉砕は、低温(冷凍)粉砕といわれています。
物質は、ある温度以下になると急激に脆くなる性質があり、これを低温脆性といいます。この性質を利用した低温粉砕は、常温では粉砕しにくいプラスチック類やゴム類もパウダー化できます。

粉砕時には、粉体同士や、粉体と粉砕機、粉体間の衝突、摩擦などにより「熱」が発生します(粉砕熱)。このため、パウダーが溶融や変質することがあり、常温では粉砕時間が長くなったり、粉砕できないことがあります。こうした原料も低温粉砕技術を用いることにより溶融、変質を心配することなく、短時間で多くのパウダーをつくることが可能になります。

LNG冷熱の有効利用としての低温粉砕

低温粉砕の受託事業を行なわれている東邦冷熱株式会社(以下「東邦冷熱」)が利用している液化窒素は、液化天然ガス(LNG)の冷熱を利用して製造されたものです。
海外から大型タンカーで輸送されたLNG(-160℃)は、国内で再びガス化して、都市ガスの主原料や火力発電所の燃料などとして使用されています。

再ガス化の際に生み出される「冷熱」は、空気を分離して製造される液体窒素・液体酸素・液化アルゴンのほか、液化炭酸ガス・ドライアイスの製造や冷熱発電にも有効利用されています。
LNGは石炭や石油に比べて、地球温暖化の要因の1つといわれる二酸化炭素の発生量が少なく、不純物をほとんど含まないクリーンなエネルギーであり、その冷熱を活用した東邦冷熱の低温粉砕は、エネルギーの有効利用と環境面にも配慮した優れた技術といえます。

環境省.「燃料別の二酸化炭素排出量の例」,出典_2023.6.9.
https://www.env.go.jp/council/16pol-ear/y164-04/mat04.pdf


東邦冷熱の「低温粉砕センター」では、1989年に液化窒素を用いた低温(冷凍)粉砕加工の受託事業を開始され、現在までに全国の化学系メーカーや商社からの依頼を受け、さまざまなプラスチック類やゴム類を、低温粉砕加工されてきた実績があり、生み出された高品質パウダーは、いろいろな分野・用途で使用されています。

低温粉砕の特長

東邦冷熱では、お客さまからお預かりした原料を液化窒素を用いて冷却後、粉砕機に投入して粉砕します。粉砕機内部も液化窒素雰囲気に保たれており、低温、低酸素状態となっています。その後、粗粒品の再粉砕と分級を繰り返し、お客さまご要望の粒径のパウダーを取得します。

低温粉砕によって得られる製品の主な特長は次のとおりです。

流動性に優れる
パウダー表面は滑らかで、流動性に優れるため、取り扱いが容易です。

熱による変質が少ない
低温下で粉砕するため、粉砕熱による変質や劣化を防ぐことができます。

酸化しにくい
窒素雰囲気下で粉砕するため、酸化を防止することができます。

低融点物質・油分・水分を含んだものでも粉砕可能
低温下で粉砕するため、低融点原料の溶融などを防止できます。

パウダーソリューションをご提供します

最近では、バイオマス素材の探索や材料開発など、お客さまがサーキュラエコノミー・カーボンニュートラルへの取り組みの一環で、少量のテスト粉砕を依頼されることも多いそうです。
東邦冷熱では、粉砕から分級、混合まで一貫した生産設備を保有し、お客さまの多様なニーズに柔軟に対応が可能な体制で、こうしたお客様の取り組みをサポートされています。
粉体を製造または製造検討をされていらっしゃる方は、東邦冷熱の低温粉砕技術を活用されてみてはいかがでしょうか?。

記事制作協力:東邦冷熱株式会社

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plaplat編集部

化学品専門商社:長瀬産業グループのメンバーを中心に構成。
専門領域であるプラスチックを基軸に、サステナビリティを実現するためのソリューションと、業界を横断した情報を展開する。