公開日:2023/06/16

最終更新日:2023/08/04

PLA(ポリ乳酸)+タルク 『Denapolymer™ BPU100』シリーズ

Denapolymer™ BPU100 シリーズは、PLAにタルクを配合した、バイオマスプラスチックと無機鉱物を主体とする、新しい熱可塑性成形材料です。
今回は実験データをもとに、各グレードの材料特性をご紹介します。

BPU100 シリーズ について

BPU100シリーズは、以前に別のコラムでコンセプトをご紹介した BPU100-TA50 を中心に、配合を変えた4つのグレードを展開しています。

BPU100-TA50(タルク50%):高剛性/高耐熱性グレード
 カーボン繊維20%入りの石油由来プラスチックに匹敵する剛性を持ちながら、良外観であり、着色が容易です。
 
BPU100-TA50B(タルク50%):標準耐熱/剛性グレード
 優れた加工特性を持ちつつ、耐熱性、剛性、耐衝撃性にバランスの取れたグレードです。

BPU100-TA40B(タルク40%):標準耐熱/剛性グレード
 優れた加工特性を持ちつつ、耐熱性、剛性、耐衝撃性にバランスの取れたグレードです。

BPU100-TA30B(タルク30%):耐衝撃性向上グレード
 高濃度フィラー混入品でありながら、シートロール化、深絞り真空成形が容易です。

金型温度と物性の関係

BPU100シリーズは、金型温度によって射出成形品の強度・剛性・耐熱温度が変わってきます。これにはPLA樹脂の結晶化度が関係しています。
80℃以上の金型温度にすることで、溶融したPLAが金型内で固化していく中で結晶化が促進され、物性が向上します。
実はPLA単体の場合、上記のように金型温度で上げて、充分結晶化させた成形品をつくろうとすると、かなりのサイクルタイムが必要となります。

BPU100シリーズに配合されているタルクは、結晶化を促す役割を果たし、以下のデータのように金型温度80℃、冷却時間30秒で充分な物性をもつ射出成形品をつくることが可能です。

また、高濃度で配合されたタルクは「成形収縮率」を低く抑える役割も果たしています。BPU100シリーズは異方性(溶融したBPU100が金型を流動する方向の収縮率と、その垂直方向の収縮率の差)も小さいため、寸法精度に優れた成形品をつくることが可能です。

物性低下と生分解の関係

BPU100の樹脂成分であるPLA(ポリ乳酸)は「生分解性」素材です。つまりBPU100の成形品は、最終的にはバクテリアなどの微生物によって生分解されて水と二酸化炭素になり、無機鉱物であるタルクだけが残ることになります。
あくまで「最終的には」であり、PLAは、熱と微生物の働きが活発な環境下でないと分解しないため、私達が暮らしているような一般的な環境下では、ほとんど分解しません。
しかしどのプラスチックにも言えることですが、製品として使用されることにより損耗していき劣化が起こります。劣化はやがて崩壊へとつながり、生分解性をもたない場合はマイクロプラスチックにまで崩壊が進み、生分解性をもつプラスチックの場合は、最終的に水と二酸化炭素にまで分解されていきます。

PLAは乳酸がエステル結合した高分子物質で、水と熱に反応して結合が解かれます。これは「加水分解」と呼ばれる、「履かずにずっと仕舞ってたらスニーカーがいつの間にかボロボロになっていた」現象です。
以下はBPU100の耐湿熱試験の結果です。こちらのデータからは、高温高湿の蒸し風呂状態の中での、加水分解による物性(曲げ強度)の劣化状況を確認することができます。

多彩に着色することも可能

冒頭でBPU100-TA50について、「カーボン繊維20%入りに匹敵する剛性」と書きましたが、カーボン繊維強化材料は当然ながら色は「黒」です。
しかし、乳白色のPLAと白いタルクから成る BPU100は白系の色をしているため、各種着色材を使用して多様なカラーバリエーションを表現することが可能です。

是非現物に触れていただき、剛性感や意匠性をご覧いただけたらと思います。サンプルのご用命やご質問などは以下へお気軽にお問い合わせください。

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plaplat編集部

化学品専門商社:長瀬産業グループのメンバーを中心に構成。
専門領域であるプラスチックを基軸に、サステナビリティを実現するためのソリューションと、業界を横断した情報を展開する。