100%食品廃棄物から作る新素材

「100%食品廃棄物から作る新素材」が誕生。コーヒーの抽出カスや白菜の外葉、みかんの皮等の「食品廃棄物」だけを使った100%天然由来の素材です。
世界では年間約13億tもの食料が廃棄されており、これは生産された食料の約1/3の量と言われています。EACH “WASTE” CREATES A “NEW STORY” 私たち「fabula㈱」の取組みをご紹介します。

「100%食品廃棄物から作る新素材」とは

「100%食品廃棄物から作る新素材」とは、バインダー(接着剤)を使用せず、食品廃棄物だけを使って作る、100%天然由来の木や石のような素材です。

製造工程は、主に「乾燥」「粉砕」「熱圧縮成型」の3つです。製品の形状は、成型時に使用する金型次第で、ある程度対応可能です。
現在では、例えば、お猪口や器のような立ち上がりのあるものや、小さな建造物に使われる複雑な形状の製作実績があります。将来は、本素材で建物1つを建てることを目指しています。
本技術に関しては、現在、特許申請中です。そして、この技術に携わる一切の事業を2021年10月に幼馴染3人で創業した弊社「fabula(ファーブラ)㈱」が行っています。国内外問わず展示会などで弊社製品を展開しており、とあるコーヒーショップではトイレサインとして実装しています。

画像提供:fabula㈱

本技術が生まれた背景

本技術は、コンクリートが直面する課題の解決がきっかけです。

①製造時のCO2
コンクリートの原料の1つであるセメントを製造する際には1000℃以上の熱を使用します。世界のCO2排出量の約8%がセメント産業から排出されています。

②コンクリートがれきの処理
イベントなどの一時的に使用する建築物にもコンクリートが使用されます。使用後の取り壊しにも費用がかかります。取り壊した後のコンクリートがれきは、日本では路盤材として利用する場合があります。しかし、路盤材もコンクリートがれきである必要性はありません。

③原料不足
コンクリートの原料の1つに砂がありますが、原料となる砂にも実は規格(JIS A)があり、全ての砂が使用できるわけではありません。また、今、世界では人口増加に伴う都市の膨張とともに、ビル建設、道路舗装、ダムなどの公共建造物の急速な増加のため、砂は過剰に採掘されており、枯渇が深刻になっています。世界では、「サンドウォーズ」という争いが起きている現状もあります。今後、原料不足により、価格は高騰し、近い将来、コンクリートが作れなくなるかもしれません。
CO2排出を抑え、イベントなどの一時的な建物には、壊しやすく循環する素材が必要であると弊社は考えました。さらに、原料も捨てられているもの、かつ、生産のサイクルが早いものを使用することで原料不足にも対応できる建築材料の研究を始めました。

画像提供:fabula㈱

特長①:強度と感性的付加価値

・建築材料として十分な強度
本素材は、建築材料として十分に使用できる素材であると考えています。曲げ強度(曲げ荷重に対して亀裂や破壊が生じる力・応力のこと)という指標で計測したところ、基本的にはどの食材を用いても無筋コンクリートよりも強い値を示しました。
中でも白菜を使用した場合には、無筋コンクリートの約4倍の強さがあります。厚さ5mmで30kgの荷重に耐えることができます。また、この素材の特長として、複数の原料を混ぜた場合でも製作が可能で、強度の弱い原料には、強い原料を混ぜて強度を上げることも可能です。

・感性的な付加価値
本素材は、人間の感性を活かした空間づくりができます。バインダーを使用しないため、使用した原料の色や香りといった特長を残すことができます。そのため、色や香りによる識別がこの素材を使用することで可能になります。
例えばコーヒーの香りをふと嗅いだ時に無性にコーヒーが飲みたくなったり、この素材を使用することで消費者の購買意欲を促進するような空間づくり、そして、生産者のストーリーやこだわりを伝えることのできる建築やモノづくりが可能となります。

画像提供:fabula㈱

特長②:循環と地産地消

・小さな循環と大きな循環
本素材は、新しい価値を吹き込むことで生まれ変わらせる小さな循環と、地球全体での大きな循環にも繋がります。製品に不具合が生じたり、製品が不要となった場合に、再度、同じ工程を経ることで、同じ製品や別の製品を製造することもできます。
使い道がない場合には、製品を土に還すことで、地球全体での循環にもなります。そのため、例えば、イベントなどの一時的な仮設建築物に、この素材を使うことで、その施設が不要となった場合には、雑貨等に変え、販売したり、土に還すこともできます。

・地産地消
本素材では、どんな食材でも使用できる特長があります。各地域の特産物を使ったストーリー性のあるものづくりをしたいと思っています。
昔から使用されてきた機械や設備を使用して製造が可能なため、原料運搬時のCO2排出をなるべく減らすためにも、生産パートナーを探し、各地域で生産環境を整え、その土地で使用するものをその土地から調達できる環境(地産地消)を目指しています。さらに、災害時などの非常時に、仮設建築物の資材が運搬できない場合にもその地域で資材を調達できるような環境づくりも検討しています。

画像提供:fabula㈱

お問い合わせ

profile

大石 琢馬

<所属>fabula株式会社
<専門分野>素材、食品廃棄物、建築材料
弊社は、2021年10月に幼馴染で起業した東大発ベンチャー企業です。私は、本素材で感性を活かした空間づくりを目指します。