公開日:2024/01/17

最終更新日:2024/04/22

廃プラスチックを再資源化
99%再生材ごみ袋「FUROSHIKI」

本来ごみとして捨てられてしまう廃プラスチックを再資源化して誕生したごみ袋「FUROSHIKI」。焼却処分を回避でき、CO2排出量の削減にも貢献しています。廃棄物由来にこだわって作られた「FUROSHIKI」によって、枯渇する資源をむやみに消費せず国内循環するサーキュラーエコノミーの取り組みをご紹介します。

なぜ「FUROSHIKI」は誕生したのか

経済成長や便利なライフスタイルへの移行と共に、増加の一途をたどってきたプラスチック製品。有害廃棄物の輸出入を規制する国際条約により、資源として海外に輸出されていた廃プラスチック類が行き場を失い、廃棄物として国内で処分される量が大幅に増加しました。また、近年は、海に大量に流入するプラスチックごみによる汚染が国際的な問題となっています。

廃棄物マネジメントを主な事業とする株式会社サティスファクトリーは、日本国内に滞留・増加する廃プラスチック類の資源としての有効な利用方法を検討していました。取り扱う廃棄物の中に、主に物流業界から発生する使用済みストレッチフィルムが多くあったことから、それを原料に再生樹脂ペレットを生産、ごみ袋を製造販売するに至り「FUROSHIKI」が誕生しました。

ストレッチフィルムが主原料であるL-LDPEの再生樹脂ペレットを使用したごみ袋は、高い伸縮性があり破れにくく、機能面に優れています。また、捨てることが当たり前ではない価値あるごみ袋で、ごみの発生抑制に貢献することも目的としています。

画像提供:株式会社サティスファクトリー

多方面から評価される「FUROSHIKI」の価値

■製造過程
廃棄物由来の再生原料を確保するために、200社を超える企業から廃プラスチックを回収しています。廃棄物マネジメントで培った物流網への知見と、複雑で流動的な廃棄物処理ルールへの対応を強みに、効率的な回収ルートを構築。回収した原料でごみ袋を製造し、国内企業で使用してもらうことで廃プラスチックが国内循環する仕組みを生み出しています。主な流れは、分別(シールなど不要物を取り除いて分別)から回収(原料となる廃プラを回収)、再資源化(ペレットに再資源化)、そして成形(ペレットをごみ袋に成形)になります。


■5つの価値
①CO2排出削減で脱炭素へ貢献:資源を焼却処分しない為、CO2排出を削減し、地球温暖化を防ぎます。
②海洋プラ問題への貢献:資源の適正な国内循環で、廃プラの海洋流出を防ぎ、生態系を守ります。
③SDGs達成への貢献:持続可能な世界に向けて、つくる責任つかう責任、気候変動に対策します。
④相場変動の少ない価格:石油由来のバージン原料を極力使わず、国際情勢の影響も受けにくい設計です。
⑤従業員の意識醸成:誰もが身近な消耗品に資源価値を意識することで、捨てる行為を見直します。


■外部評価
ごみ袋「FUROSHIKI」の導入は全国1万206事業者に広がり、多方面から外部評価を得ています。例えば、自国のごみは自国で処理し、循環させることができる社会に向けて意義深い取り組みだと評価され、「2020 グッドデザイン賞」を受賞。ライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと評価されエコマーク取得。グリーン購入法に適合しています。

画像提供:株式会社サティスファクトリー

年々広がる導入実績とCO2排出削減実績

サービス提供開始から3年が経ち、業種業態を問わず導入企業が広がっています。具体的な導入実績は1万206事務所(導入企業例:アイリスオーヤマ/ほっかほか亭/よみうりランド/洋服の青山/餃子の王将など他多数)、それによるCO2排出削減実績 1万1,132トンになります。

また、注目すべきは、環境負荷の軽減だけでなく、コスト削減の効果にもつながっている点です。

全国約900店舗を運営するアパレル企業は、環境に配慮した取り組みを強化したいという思いと、有限資源の保護を目的に、毎日消費されるごみ袋をFUROSHIKIに切替。これにより16.7%コスト削減、年間36.9トンのCO2削減できました。全国約50店舗を運営する物流倉庫は、輸出入規制により自社の廃プラが行き場を失ってしまったことにより、2拠点から大量に捨てられるストレッチフィルムを焼却処分から再生処理に切替。これにより年間約7トンの廃プラを再資源化することができ、34.5トンのCO2削減につながりました。年間約2,000枚消費するごみ袋をFUROSHIKIに変え、資源の社内循環も実現しています。

CO2算定根拠
環境省.「3R原単位の算出方法」,出典_2024.4.22. https://www.env.go.jp/press/files/jp/19747.pdf
画像提供:株式会社サティスファクトリー

限られた資源を循環し、持続可能な社会へ

廃プラスチックの多くは、回収後に焼却炉で燃やして処分されるため、 CO2排出は避けられません。FUROSHIKIでは、回収した廃プラスチックを焼却することなくペレットに再資源化し、新たな製品の原料に生まれ変わらせます。そのため、本来は焼却されて発生するはずだったCO2の排出を削減することができます。このリサイクル方法は「マテリアルリサイクル」と言われ、環境負荷を低減する代表的な方法です。

日本で古来より愛される「大切なものを包む」文化である風呂敷から名付けられましたFUROSHIKI。使い捨てされずに幅広い用途に繰り返し活きる姿は、消費社会が目指すべき価値そのものといえます。「ごみ」としてごみ袋に入れられているものも大切な資源。それらを再生資源で作られたFUROSHIKIで包み、循環させることで持続可能な社会にしていきたいという未来の環境への思いが込められています。

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土井えりか

plaplat編集部(所属:合同会社スゴモン)
企業にて人事 / 新事業開発を経て、ライターに転身。現在は地域コミュニティの立ち上げや商品企画など活動の幅を広げている。