バイオベース度最大100%のエポキシ化合物
「グリーンデナコール」

ナガセケムテックスでは、「私たちは豊かな未来のために化学する」というスローガンを掲げ、独自の技術を用い、優れた素材の開発を行なっています。SDGsに代表される環境・エネルギーや食糧問題などの社会課題の解決に貢献するために、植物由来原料を使用したバイオベースエポキシ化合物「グリーンデナコール」を開発しました。

まずはラインナップを紹介します!

当社では、1965年頃よりエポキシ化合物の開発を行なっており、今では30種類以上のエポキシ化合物を製造しています。
この度、エポキシ化合物「デナコール」の品番の中でも人気のグレード、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルの高バイオベース度品「グリーンデナコール」を開発しました。
石油由来(枯渇性資源)の従来原料から、バイオベース(植物由来の再生可能資源)への切り替えにより、サステナブルなエポキシ化合物の製造を実現しました。このことにより、原料植物の光合成によりCO₂排出量の低減に貢献しています。
グリーンデナコールは、世の中では珍しいバイオベース度MAX99%のエポキシ化合物です。
※現在、このグリーンデナコールは、量産スケールでの生産を行なっています。

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画像提供:ナガセケムテックス㈱

そもそもバイオベース度とは?

グリーンデナコール製品のバイオベース度は、「炭素14分析法」で測定しています。
炭素14分析法??となるかと思いますので、そこを説明します!

原子記号で表されるCの炭素ですが、実は一種類ではありません。炭素12、炭素13、炭素14と仲間(放射性同位体)がいます。その存在比率は、炭素12が98.9%、炭素13が1.1%、炭素14がなんと0.00000000012%です。炭素14のように弱い放射性同位体は、放射性崩壊の法則に従い、時間とともに減少していきます。
自然由来のものは、短い期間しか存在していないため、ある一定の炭素14を含んでいます。一方で、石油由来のものは、とても長い期間存在しているために炭素14が減り(崩壊し)、炭素14を含みません。
そのため、炭素14を測定することで、バイオ由来なのか、石油由来なのかを区別することができます。
ちなみにこの分析方法は、文化的遺産や化石などの年代測定にも用いられ、炭素14がどの程度含まれるかを測定することで『○○○○年前のモノです』と確認することができます。

※当社では、この分析は行なっておらず、外部業者に測定依頼をしています。

画像提供:ナガセケムテックス㈱

適用事例を紹介します!

当社内のエポキシ変性品開発部隊での適用事例を紹介します。
グリーンデナコールを原料として使用し、バイオベース度最大95%のバイオベースエポキシ変性品を開発しています。

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画像提供:ナガセケムテックス㈱


高バイオベース度ながら、汎用のエポキシ樹脂と同等以上の優れた特性を持っており、天然繊維と合わせることで環境配慮型の繊維強化プラスチックを実現することが可能です。
ご興味のある方は、下記へご連絡ください。

<担当部署>
ナガセケムテックス(株) 機能樹脂事業部 製品開発部 マーケティング担当
田中 浩  E-mail: hiroshi.tanaka@ncx.nagase.co.jp

最後に

デナコール製品は主に添加剤として使用されており、「添加剤のバイオベース度が高くても…」と思われがちですが、適用事例のようにグリーンデナコールをメインに使ったり、他の高バイオベース度原料と合わせたりすることで、高バイオベース度を実現することが可能です。
「グリーンデナコール」は、低バイオベース度の製品から高バイオベース度の製品まで幅広く使用頂ける製品ですので、ぜひこの機会にご評価ください。皆様からのお問い合わせお待ちしています。

お問い合わせ

profile

上中 康史(うえなか こうじ)

ナガセケムテックス株式会社
機能化学品事業部 営業開発部

        

https://www.nagasechemtex.co.jp/