意外とたくさんあるプラスチックの種類

前回触れなかったプラスチック(熱可塑性)の分類に、「結晶性」と「非結晶性」という物質としての構造の違いがあります。これに性能による分類である「汎用・エンプラ・スーパーエンプラ」を掛け合わせて主なプラスチックの種類をマッピングすると、以下のような図になります。
世界中で年間4億トン以上生産されているプラスチックの90%以上が熱可塑性プラスチックであり、その内の70%以上は汎用プラスチックです。安価で加工性に優れた汎用プラスチックは、日用品や建材、自動車部品からレジ袋まで、その名のとおり至るところで使われています。

エンプラが拡げたプラスチックの可能性

1960年代に入ると世界的に工業生産が盛んになり、日本においても高度経済成長期を迎えます。
さまざまな製品の大量生産・大量消費に対応するため、製品を構成する部材・部品に使用する素材には「安さ、軽さ、加工性」が求められ、金属やガラスなどに代わる素材として、プラスチックの更なる可能性が模索されていきました。また同時期には、世界各国で相次いで大規模な石油化学コンビナートが建設されていきました。
そのような時代背景が後押しし、エンプラ(エンジニアリングプラスチック)が次々と開発されていきました。

エンプラの定義は明確ではありませんが、概ね100℃以上の耐熱性をもつプラスチック群をエンプラと呼び、中でも「5大汎用エンプラ」とされる PC・PA(6, 66)・PBT・POM・m-PPE は世界各地で生産され、耐熱性の他、汎用プラスチックにはない強度・電気特性・耐摩耗性などにより、幅広い用途で使われています。

5大汎用エンプラと特性

驚くべきスーパーエンプラの性能

エンプラの登場後、1980年代以降になると、製品への付加価値要求が高まります。
同時に素材へは高機能化が求められ、さまざまな用途で使用されているエンプラにも、さらなる耐熱性・難燃性などが求められるようになり、極めて機能性の高いスーパーエンプラの開発が相次ぎ、そのトレンドは現在も継続しています。

エンプラ同様、スーパーエンプラにも明確な定義はありませんが、概ね150℃以上の耐熱性を持つプラスチックとされています。
難燃性については、米国の製品安全認証企業「UL LLC」によって規格化された試験(UL94)で各プラスチックが評価・格付けされており、高い安全性が求められる電気・電子製品には、UL94認証を取得したプラスチックが使用されています。

スーパーエンプラの中には、優れた耐熱性・難燃性とともに、金属素材にはないプラスチックの特長をさらに尖らせ、併せ持った材料もあり、医療機器や航空宇宙といった高い信頼性が求められる用途へも活躍の場を拡げています。

主なスーパーエンプラと特性

まだまだ拡がるプラの世界

ここまで「バイオプラスチック」について紹介してきませんでしたが、バイオプラは、汎用・エンプラ・スーパーエンプラのような、物性による分類とは別の定義がありますので、詳しくは以下のコラム 「生分解性プラスチック」「バイオマスプラスチック」をご覧ください。
また、ゴム性質をもち、プラスチックと同じよう成形ができる「エラストマー」や、炭素繊維を配合し、軽量でありながら金属並みの剛性・強度をもつ「CFRP・CFRTP」なども、汎用・エンプラ・スーパーエンプラのピラミッドに単純に当てはまらないプラスチック素材です。

さまざま種類のプラスチックの特徴や使われ方などを、plaplat内の「プラ図鑑」で紹介していますので、是非ご覧ください。


プラスチック基礎知識① そもそもプラスチックとは?
プラスチック基礎知識② エンプラ・スーパーエンプラとは?
プラスチック基礎知識③ 射出成形 とは?
プラスチック基礎知識・物性編1⃣ 密度・MFR【解説動画付】
プラスチック基礎知識・物性編2⃣ シャルピー衝撃値・デュポン式落錘衝撃値【解説動画付】
プラスチック基礎知識・物性編3⃣ UL94 燃焼性【解説動画付】