公開日:2023/08/07

最終更新日:2024/05/01

プラスチック基礎知識・物性編 1⃣
密度・MFR 【解説動画付】

プラスチックを扱われている方でしたら「物性表」や「試験成績書」でさまざまな物性項目をご覧になったことがあると思います。では、それぞれの物性がどのように測定されているかをご覧になったことはあるでしょうか?今回は「密度」と「MFR」について、2分で分かる動画を添えて紹介します。

物性とは

物質のもつ性質のことを「物性」と言います。プラスチックは種類やグレードによって、硬さや耐熱性、透明性などが異なりますが、それは、それぞれがもつ性質が異なるためです。
プラスチックの物性は、大まかに以下のように分類されます。

・物理的性質 ・・・ 密度や粘度、吸水率など
・機械的性質 ・・・ 硬さや伸び、割れにくさなど
・熱的性質  ・・・ 耐熱温度、低温脆化温度など
・電気的性質 ・・・ 耐トラッキング性、絶縁性など
・光学的性質 ・・・ 可視光透過率、屈折率など
・化学的性質 ・・・ 耐薬品性、耐油性など

どのような環境で、どのように使われるかによって、プラスチック部品に要求される性能は異なります。要求を満たす性能をもつプラスチックを選ぶ上で、物性は重要な基準になります。

物性表の例

物理的性質-密度-

物性はプラスチック材料の品質を判断する基準にもなります。材料にはそれぞれ設定された規格値がありますので、lot毎に試験を行ない、製造された材料が規格値内の物性のものであることを確認します。
今回は材料物性表にも、検査成績書にも、必ずといって良いほど登場する超メジャーな物性である「密度」と「MFR」をご紹介します。

検査成績書の例(抜粋)
画像提供:ソルベイスペシャルティーポリマーズジャパン㈱


「密度」は、その物質を構成する原子や分子構造によって決まる物性です。そのためPC樹脂であれば、樹脂メーカーの違いや、後述する「流動性」=粘度の違いがあっても、基本的に密度は一定となりますが、添加剤やフィラー、他樹脂を配合したりすることで変わります。もちろんプラスチック材料は決められた配合で作られますが、配合するものの性状や製造条件は常に一定ではなく、多少のブレが生じる場合があるため、決められた配合どおりに製造されていることを確認するために「密度」を測定することがあります。

試験の仕方や、プラスチックの種類による密度の違いなどを1分半ほどの動画で解説しておりますので、是非こちらもご覧ください。



物理的性質-MFR-

「MFR」は、Melt Flow Rate の略で、熱をかけて溶融させたプラスチックの「粘度」を示す物性です。プラスチックを溶融させ金型の中に流し入れて成形を行ないますので、粘度が低い(=流動性が高い)方が金型内をスムーズに流れていきます。流動性を上げるために分子量を落としたり、逆に分子量を上げて強度を向上させたり、一つのプラスチックでも、分子量を調整することで性能の異なるグレードを展開することができます。
成形加工を行なう上で流動性は超重要ポイントですので、製造されたプラスチック材料が規格値どおりの流動性であることを確認するために「MFR」を測定します。

MFRは、MFIと言ったり、MI・MVRと言ったりします。その辺りの解説や、試験の仕方、物性表でMFRを見る際のポイントなどを2分ほどの動画で解説しています。



まだまだあります「プラ物性」

今回はプラスチックの「物理的性質」を表す物性項目の中から、密度とMFRについて紹介させていただきましたが、 冒頭で記載したとおり、まだまだ他にも「機械的」「熱的」「電気的」「光学的」「化学的」といった性質と、それらを示すさまざまな物性項目があります。物性は材料選定をする上での判断基準であり、各プラスチックの個性をより深く理解するための重要なポイントでもありますので、今後plaplat内で紹介していけたらと思います。
もし「この物性について解説して!」といったお声をいただけましたら、優先して掲載して参りますので、是非以下の「お問い合わせ」よりリクエストいただけたら幸いです。


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