木材パルプで出来た生分解フィルム
「セロファン」

食品や医薬品などを包むパッケージにはさまざまな素材が使用されていますが、その中でも一番広く使用されているプラスチックは、海洋プラスチックごみ問題や各国での廃棄物輸入規制強化等への重要性が増す中で、環境対応化が求められています。今回は、見た目は透明なプラスチックとそっくりなのですが、実は木材パルプで出来ているレンゴー㈱の「セロファン」について紹介したいと思います。

セロファンとは?

セルロースフィルム「セロファン」は、木材パルプ(セルロース)を化学処理してビスコースという溶液にし、再び凝固再生することによってつくられる透明フィルムです。プラスチックのように見た目は透明ですが、パルプが原料で、水となじみが良く、紙に近い特性を有しています。また、静電気が起きにくく、どの方向にも手で簡単に引裂くことができます。

セロファンには以下のような特徴があります。

【特長】
■どの方向にも手で簡単に引裂くことができます。
■土中に放置すると容易に微生物に分解されます。
■静電気が起きにくいフィルムです。
■腰が強く、折り曲げると形状を保持することができます。
■熱に強く、190℃程度の温度に耐えられます。
■吸湿するため、防曇効果があります。

抜群の生分解性
パルプ由来の製品で水と二酸化炭素まで完全に生分解されるフィルムです。
また、土中や海中でバクテリアにより生分解されるため、SDGsの取組みの一環として、廃棄物問題や脱プラスチック対策などの解決策として活用が期待される環境対応に優れた素材です。

画像提供:レンゴー㈱


<評価方法>
100mm×100mmのセロファンをポリエチレン製水切りネットに入れて土壌に埋没させる。経時的にサンプルを取り出して外観を観察。

帯電性
静電気が起きにくいため粉体の包装に適しています。
セロポリ:帯電しにくいため粉薬が綺麗に包装されています。
CPP:帯電するため粉薬が袋にくっついてしまっています。

画像提供:レンゴー㈱

生分解の認証について

レンゴー㈱のセロファンは、「バイオマスマーク95」「OK biodegradable MARINE」「FSC®森林認証」の3つの認証を取得しています。

「バイオマスマーク95」
バイオマスマークは生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質および安全性が関連する法規、基準、規格等に適合している環境商品の目印です。セロファンは木材パルプを原料とするバイオマス由来の透明フィルムで、日本有機資源協会のバイオマスマークにおいてバイオマス度95を認定取得しています。

「OK biodegradable MARINE」
土壌だけではなく、海洋での生分解性にも優れており、ベルギーの測定機関OWS(Organic Waste Systems)における海水中での生分解性試験で、極めて高い生分解性が確認されています。「OK biodegradable MARINE」認証は、土中に比べ微生物が少ない海水中での生分解性を証明する国際認証です。海水中で6カ月以内に90%以上生分解するか、基準物質(セルロース)に対して90%以上の生分解度を示す条件をクリアし、かつ、分解生成物の生体への安全性も証明されることで、TÜV AUSTRIAより認証されました。

「FSC®認証」
FSC®認証とは、適切に管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みです。セロファンはFSC®森林認証を受けた原材料による森林の環境保全に配慮した製品(FSC-C119241、クレジット方式)です。

画像提供:レンゴー㈱

セロファンの用途について

ノッチを入れることなく任意の方向に手で引き裂ける特長を活かし、医薬品や食品を中心に包装材料として幅広いアイテムに採用されています。
また、高耐熱性、剥離性の良さを活かして樹脂成形等の工程紙としても実績があります。脱プラスチックといった環境性の良さだけでなく、歩留りや作業性の向上という点でもメリットがあり、多くのお客さまよりご相談をいただいています。この他にも各分野での取組みが進んでおり、環境対応素材としてさらなる用途への展開が期待されています。

セロファンにご興味のある方は、是非、お気軽にお問合せ下さい。

お問い合わせ

profile

レンゴー株式会社

<所属>機能材営業部
<専門分野>セロファン


セロファン | 製品案内 | レンゴー株式会社 (rengo.co.jp)