公開日:2024/03/05

最終更新日:2024/03/28

その製品に更なる付加価値と持続可能性を!
「バイオベース ULTEM™樹脂」

高温環境での寸法安定性、機械的特性、長期間の深紫外線照射への変色・物性劣化耐性…、一般的なプラスチックのイメージとはかけ離れた超過酷な使われ方をしても、並外れた高い性能を発揮するスーパーエンプラ 「ULTEM™樹脂」。お客様、そして社会の課題である持続可能性に貢献し得る、地球温暖化係数最大10%削減グレードが登場しました。
4月4日にはULTEM樹脂に関するウェビナーを開催します。(文末の「登録ボタン」よりお申込みください)

高性能、且つ環境負荷を低減

ULTEM(ウルテム)樹脂は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニー「SABIC(サビック)」:サウジ基礎産業公社製の、PEI(ポリエーテルイミド)という非結晶性の熱可塑性樹脂です。

供給体制としては、ベースポリマーをアメリカとシンガポールの2拠点での生産、コンパウンド(成形材料)を、アジアでは日本、中国、シンガポールの3拠点で生産しており、BCP、安定調達、リードタイムなどの観点から、より安心して使っていただけるよう、充実を図っています。

日本においては、SABICスペシャリティ事業部、SHPPジャパン合同会社として事業展開しており、コンパウンド生産を行なう真岡工場には、総合技術研究所も併設しています。

SABICが世界で唯一製造しているPEI:ULTEM樹脂は、誕生から40年を迎え、これまで並外れた特性と加工性で、さまざまな製品の付加価値向上に貢献してきました。
そして、世界的に地球環境の保全、持続可能性への関心が高まり、プラスチックに対しても「環境負荷低減」の要求が高まる中、バイオベース原料を使用し、原料入手~製造~樹脂出荷までの地球温暖化係数を最大10%削減したグレードの展開を開始しています。

ISCC+認証を取得した、厳密な製造プロセス

バイオベースのULTEM樹脂は、製造に使用する粗原料の一部を、従来の化石資源由来から、木材産業から排出される粗トール油などの廃棄物や、残渣から得られるバイオベースの原材料に置き換えています。
その割合は、生産されるULTEM樹脂100㎏あたり、25.5㎏となります。

ISCC+認証を取得し、マスバランス方式を用いて、化石原料およびバイオベース原料の投入量と、生み出される樹脂の量を厳密に管理し、一定の量を、地球温暖化係数(GWP)を削減した「バイオベースグレード」として製造しています。
そのためバイオベースULTEM樹脂は、従来の化石原料100%のULTEM樹脂と同様の性能を発揮し、これまで同じくUL94やFDA食品接触用途、REACHやRoHSといった化学物質規制に対応した材料となっています。

画像提供:SHPPジャパン合同会社


「最大10.2%」のGWP削減率は、ISO 14040/14044の手順に従ったライフサイクルアセスメントの一般原則に準じて実施した、SABIC社内部評価の結果に基づいた数値となっています。

画像提供:SHPPジャパン合同会社

付加価値、持続可能性向上に寄与するULTEM樹脂の性能

以下にULTEM樹脂の代表的な性能上の利点をご紹介します。

1.寸法安定性
高温から低温まで、幅広い温度範囲の中で優れた寸法安定性を持ちます。
この特性は、例えば光ファイバーコネクタや自動車の電気油圧式コントロールバルブなど、わずかな寸法変化が製品性能に影響を与える用途で高い評価を得て採用されています。

2.高温耐性
ガラス転移温度(Tg)が217℃、またRTI(UL 746B:10万時間経過後に初期物性が半減する温度環境)が170℃以上と、非常に優れた長期高温特性を持ちます。

3.UV-C(深紫外線)耐性
ウイルスや有害な微生物を無力化する効果のある強力なUV-Cによる、機械的特性の劣化や変色による外観変化に対し、優れた耐性を持ちます。

他にも、耐加水分解性、耐薬耐油性、電気絶縁性など、優れた特性を持ちます。
また、成形加工における、高せん断速度での低粘度/低せん断速度での高粘度 という特性は、射出成形での薄肉・微細加工を可能にし、押出・ブロー成形での安定生産を可能にします。

これらの性能によりULTEM樹脂は、さまざまな分野、取り分け高い精度・信頼性、過酷な環境で使用される製品に採用され、その製品の付加価値および持続可能性の向上に貢献しています。

ULTEM樹脂の採用事例,出典_2024.2.28 https://www.pressreleasefinder.com/

2024.4.4 webinar で更に詳しく!

ここまでのご紹介で、もしかしたら『ULTEM樹脂って高性能だけど少し難しい素材?』という印象をお持ちになった方もいらっしゃるかもしれません。

実はULTEM樹脂は、メガネのフレームやジューサーのスクリューなど、日常でも目にする身近な用途でも多数採用されています。
薄くて軽いのに丈夫で割れない、何度も食洗器にかけて、繰り返し使っても刃が欠けない・変形せずに「安心して使える」という当たり前は、計算し尽くされた製品設計と、それをカタチにする加工の技術、そしてプラスチックの性能がともなって具現化されている「機能」なのです。

ULTEM樹脂は、さまざまな製品の付加価値・持続可能性を更に向上させる可能性を持つプラスチック素材です。
2024年4月4日(木曜)の午後15:00~15:50に、ULTEM樹脂の特徴、採用事例などをご紹介する Webinar を開催いたします。

参加費:無料のセミナーとなっておりますので、ULTEM樹脂に興味を持っていただけた方は、是非登録の上、ご参加ください。
※受付は、2024年4月3日(月曜)午後17:00で締め切らせていただきます。

登録はこちらから

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plaplat編集部

化学品専門商社:長瀬産業グループのメンバーを中心に構成。
専門領域であるプラスチックを基軸に、サステナビリティを実現するためのソリューションと、業界を横断した情報を展開する。