ケミカルリサイクルという技術

日用品や文具などの身近なもので、リサイクルプラスチックから作られていることを表記した製品を見かける機会が増えてきました。家電製品も、ひと昔から廃品回収して素材をリサイクルし、再び家電部品に使用する取組みがされてきました。
しかし砂にまみれ、海水と直射日光にさらされ、明らかに劣化したPETボトルがリサイクル素材して使えるのか?そもそも、電気機器が飲料ボトルと同じ素材でつくれるのか?という疑問が生まれるかもしれません。
一つ目の疑問には、ケミカルリサイクル技術を用いて「可能」と答えることができます。ケミカルリサイクルとは、廃プラを化学的に分解し、プラスチックの粗原料やモノマーに戻し、再度重合してプラスチックを製造する技術です。廃プラに蓄積された汚れや劣化は、原料レベルにまで分解することで除去されます。

pressreleasefinder.com_2022.5.16,出典_2023.2.24
https://www.pressreleasefinder.com/SABIC/SABICPR568/ja-JP/

アップサイクルという技術

二つ目の疑問には、SABIC社独自のアップサイクル技術により、オーシャンバウンドPETをPBT(ポリブチレンテレフタレート)に再重合することで「可能」と答えることができます。
PBT樹脂は、優れた機械的強度・耐熱性・電気特性などの材料特性をもつプラスチックで、コネクタなどの電子部品や、電気自動車の急速充電器など、さまざまな用途で使用されています。
SABICスペシャリティ事業部が展開する「LNP™ ELCRIN™ WF0061BiQ」は、オーシャンバウンドPETを再重合して作られた、バージン素材と同様の性能をもつPBTに、ガラス繊維や非臭素系/非塩素系難燃剤などの添加剤を配合したコンパウンド材料です。
廃棄されたPETから優れた材料特性をもつPBTへとリサイクルし、より高い耐久性が求められる用途に使用するというアップサイクルは、プラスチック製品のサステナビリティを高めるためにとても重要な技術です。

置き換えで得られる環境負荷低減効果

ケミカルリサイクル、アップサイクル技術によってつくられる「LNP™ ELCRIN™ WF0061BiQ」の環境価値は、客観的な数値データとしても算定されています。
SABICは「ISO 14040/14044プロトコルに従って社内で実施されたライフサイクル分析によると、LNP ELCRIN WF0061BiQコンパウンドは、ガラス繊維で強化されたバージンPBTコンパウンドと比較して、CO2排出量を最大14%、累積エネルギー需要量を最大25%削減できることが示されました。お客様はバージン素材をSABICの樹脂に置き換えることで、プラスチック廃棄物の再利用やハロゲン系添加剤の排除を通じて環境負荷の低減が可能となります。」と発表しています。

サステナブルな社会へ、ケミカルで革新を

最終製品の環境価値向上のため、環境配慮型素材を採用する企業が増えていく中、従来のPBT樹脂を直接置き換え可能な代替材料である「LNP™ ELQLIN™ iQ」は、今後さまざま用途での採用が増えていくことが見込まれます。
SABICは「今後10年以内に100億本分のPETボトルをより高性能で耐久性の高い素材にアップサイクルし、お客様に高い価値を提供できると考えている。」と発表しています。また、産業廃棄物から回収されたプレコンシューマー材のリサイクルガラス短繊維を配合し、更に資源循環性を向上させたLNP ELCRIN iQ製品も展開されています。
グローバル化学メーカーであるSABICは、サステナブルな社会の共創に向け、資源循環、有効活用に貢献する革新的な技術を開発しています。