最初に、PLAとは

PLAは、サトウキビなどの植物を原料としてつくられる「生物由来のバイオプラスチック」で、 ナフサ(石油)を原料とした一般的なプラスチックと同じように熱可塑性をもち、さまざまな成形加工ができ、幅広い用途に使用が可能です。 PLAの製造工程は、原料となる植物を育てることから始まります。そして収穫した植物から糖分を取り出し、次に糖分を発酵させて乳酸にし、2つの乳酸を化学結合しラクチドをつくり、ラクチドを開環重合することでポリ乳酸となります。

ポリ乳酸の種類について

自然界では、PLAの原料となる「乳酸」は、ほとんどが「L-乳酸」として存在していますが、L-乳酸の鏡像体である「D-乳酸」がわずかに(約4%)混在します。PLAの中のD-乳酸の割合により、PLAとしての耐熱性・柔軟性・透明性などが変化するため、PLAメーカーは、D-乳酸の比率を制御することで、用途や加工方法に適したいくつかのグレードを製造しています。
以下の図は、TotalEnergies Corbion社製PLA樹脂「Luminy®」の代表的な製品ラインナップです。

Luminy®は TotalEnergies Corbion社の登録商標です

トタルエナジーズ・コービオン.「Our Luminy® PLA portfolio」,参照_2023.2.20.
https://www.totalenergies-corbion.com/luminy-pla-portfolio

PLAがサステナブルなワケ

PLAは以下の特徴から、持続可能な社会の中で、サステナブルに利用できるプラスチック素材として期待されています。

①食料と競合しない、余剰作物としてのサトウキビ・トウモロコシなどの植物を原料としている
②原料となる植物が生育過程でCO2を吸収しているため、製造工程における総CO2排出量(カーボンフットプリント)が少ない
③原料からペレットに至るまでの製造工程を見直すことにより、PLAのカーボンフットプリントは実質ゼロにできる可能性がある
④ PLAが普及し、リサイクル技術・社会システムが発達すれば、石油に依存しないプラスチック資源循環の実現が期待できる
⑤ 最終的にPLAは、環境中にいる微生物のはたらきにより、水とCO2に分解される

トタルエナジーズ・コービオン.「The closed-loop end-of-life solutions enabled when using Luminy® PLA now also include chemical recycling.」,出典_2023.2.20
https://www.totalenergies-corbion.com/news/luminy-pla-made-from-chemically-recycled-feedstock-now-commercially-available/

PLAの今後の展望

日本においても、政府が策定した「バイオプラスチック導入ロードマップ」で、2030年までに約200万トンの導入を目標としているように、世界中でPLAなどのバイオプラスチックを導入する動きが加速しています。
主な用途として、日用品・容器包装・フィルム・繊維・不織布分野の製品が挙げられますが、今後は特にフィルム・不織布での消費拡大が見込まれています。需要の増加に対応するバイオプラスチックの生産量も、今後各社がプラントの増設・新設を計画しており、特に中国では国家級のプロジェクトとして急速に拡大する予定です。
こうした社会情勢や化学メーカーの大きな動きがある中で、PLAをさまざまな用途で、より安心・安全・快適に使用するための、物性向上・生分解性制御に向けた添加剤の開発や、生産性向上のための成形加工技術の開発も進んでいっています。
plaplatでは、PLAおよびバイオプラスチックの最新動向をお届けしていきます。

記事制作協力:トタルエナジーズ・コービオン b.v 日本連絡事務所 金高武志 代表