公開日:2023/06/26

最終更新日:2024/05/09

高濃度フィラー配合グレードの生産性を向上させる
Ultibatch™(アルティバッチ)とは?

プラスチックをつくる側が取り組むサステナビリティの方向性として、「生産性向上」と「使用エネルギーの低減」があります。「Ultibatch™」は、それらをアシストする高濃度フィラーマスターバッチです。

Ultibatch™ を使用するメリット

前回のコラムでは、Ultibatch™(アルティバッチ)がプラスチックへの「高濃度フィラー配合」を容易にすることをアシストし、「減プラ(石油由来プラスチック使用量削減)」に貢献することを中心にご紹介しました。
今回は、Ultibatch™ を使用して高濃度フィラーグレードをコンパウンド製造した場合の、「生産性の向上」と「使用エネルギーの低減」について、実験データをもとにご紹介できればと思います。

生産性向上

☑ フィラーの供給速度が、フィラー単体(パウダー)の 2~4倍に

パウダー状のフィラーは「嵩高い」(空気を大量に抱えている)ため、二軸押出機への供給投入が容易ではありません。仮に、プラスチックに対して50質量%でフィラーを配合しようとすると、フィラーの押出機への供給速度がコンパウンド生産速度(時間当たりの生産量)の制約要因となり、生産性は大きく低下してしまいます。

以下の表はフィラー供給装置を用いて、タルクをパウダー状のまま供給した場合と、「Ultibatch™」の形態で供給した場合のフィード性の比較です。
横軸がフィーダーのモーター出力(単位:%)で、縦軸がフィラーの供給速度(単位:kg/Hr)となります。

※フィラー供給装置(23㎜φ単軸スクリュー装着)による検証結果



パウダー状のタルクに対し、「Ultibatch™」の形態とすることで、供給速度を大幅に向上させることができます(上の表の事例では約4倍)。このように Ultibatch™ は、高濃度フィラー配合グレードの生産性向上に大きく貢献します。

使用エネルギーの低減

☑ コンパウンド吐出速度を上げることで、製造に必要な電力使用量を削減

前段のとおり、フィラーの供給速度が向上し、吐出速度を上げることができれば、製造に掛かる時間が短くなるため、電力使用量もマイナスになることは想像できます。一方で、フィラーから「Ultibatch™」を製造する工程が入ることで、そこでのプラスの電力使用が発生することも想像されます。
しかし、Ultibatch™ による吐出改善は、想像以上の電力使用量削減効果をもたらします。


以下は、Ultibatch™ を用いた場合と、パウダーをダイレクト供給した場合との、製造時の使用電力量比較です。

※50質量%タルク入りポリエチレンを、二軸押出機(同方向37㎜)で溶融混練押出(5,000㎏製造想定)


パウダーをダイレクト供給した場合、吐出速度は最大15㎏/Hrが限界であったのに対し、Ultibatch™ を用いた場合には100㎏/Hrが可能となり、約60%もの電力使用量削減・CO2排出量削減を果たすことができます。

※CO2排出量換算値:2023.1.24 環境省・経済産業省公表 「電気事業者別一般送配電気事業者排出係数」の値(0.000435t CO2eq/kwh)を使用

作業環境の改善

最後にパウダー状のフィラーと、「Ultibatach™」の、粉塵発生量の違いをご覧いただけたらと思います。
下図は、フィラー供給装置の供給口で発生する粉塵発生の様子を比較したもので、左図は「粉体状難燃剤」、右図は「粉体状タルク」での、パウダーと「Ultibatch™」の比較です。Ultibatch™ の使用により、粉塵発生量を1/8~1/10 に減らすことができました。


※測定条件(自社法)
・供給速度:10kg/h
・供給落差:30cm
・測定機器:光散乱式デジタル粉じん計(日本カノマックス #3442)
・測定方法:発塵位置より1mの位置で10min測定


Ultibatch™ の使用により、パウダーの取り扱いにおいて悩ましい、粉塵発生量も低減することができます。
プラスチックコンパウンドにおいて、「生産性向上」、「使用電力の削減」、また現場の「作業環境改善」にも繋がる、「Ultibatch™」の使用を是非ご検討されてはいかがでしょうか?

Ultibatch特設ページはこちらから。

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plaplat編集部

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専門領域であるプラスチックを基軸に、サステナビリティを実現するためのソリューションと、業界を横断した情報を展開する。