石油由来プラスチックを「薄める」ことでの減プラ

そこで登場するのが植物由来のプラスチックである「バイオマスプラスチック」です。
工業用サトウキビやトウモロコシなどを主原料としたポリ乳酸樹脂、バイオマスポリエチレン、ひまし油を原料としたPA12などがあります。昨今では植物廃油から原料素材を製造し、「マスバランス方式」として使用していく技術も開発が進んでいます。
マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルによる「プラスチックリサイクル」も日々進歩しているかと思います。私たちはこれらの革新的な技術に多くの期待をしています。
ただ、石油由来のプラスチックには性能別に数多くの種類があり、製造量、コストを考えると、全てのものをこれらの新技術で代替していくにはまだまだ時間がかかりそうです。

そこで現在あるプラスチック材料に、粉体・繊維・有機素材等のさまざまなフィラー類を、従来に比べ「高濃度」で、しかも「高い生産性」で配合することによって、石油由来プラスチックを薄めることを考えました。
それをアシストするのが「Ultibatch™」です。

高濃度フィラーマスターバッチで「薄める」

Ultibatchは、フィラー添加型プラスチックのグレード開発/量産をアシストする高濃度フィラーマスターバッチです。
例えば、30%減プラした製品をつくるには、プラスチックにフィラーを30%混ぜる必要があります。粉状のフィラーをプラスチックへ均質に混合させることは容易ではなく、プラスチックと同形状の高濃度フィラーマスターバッチペレットをつくり、それをプラスチックで希釈していくことで、効率的に安定的に30%フィラーを添加したプラスチックを生産することができます。

従来量産されている「溶融押出法」による高濃度フィラーマスターバッチでは、希釈するプラスチックと同種のプラスチックを2軸溶融押出機で溶融し、その中にできる限りのフィラーを入れます。フィラーの種類、プラスチックの種類、あるいは吐出量を検討すれば、50~80%程度までフィラー含有率を上げることができます。

一方、Ulitibatchは「半湿式法」と呼ばれる独自の製造方法(Ultibatch法)で作られる、フィラー含有率90%以上の高濃度化が可能なフィラーマスターバッチです。

より高濃度で高効率なマスターバッチ

「溶融押出法」と「Ultibatch法」では、製法・製造設備が異なります。更にUltibatch法の製造工程は、溶融押出に比較し生産効率が高い為、仮に両方の製法で同じフィラー50~70%濃度のマスターバッチを製造した場合、Ultibatch法ではおおよそ50%程度GHG(Greenhouse Gas)排出量を減らすことができます。※

※自社内での生産時電力使用量を主とした計算値の比較

Ultibatchのメリット

Ultibatchを活用した「減プラ」製品の開発には、以下のメリットがあります。

■無機フィラーを石油由来プラスチックに混ぜることで、その分の石油由来素材を削減
■マスターバッチ製造方法として高効率化されているため、製造工程における使用電力を削減
(以下、選択するフィラーの種類にもよりますが)
■フィラーを入れることで製品に剛性を増すことができ、製品自体の薄肉化検討が可能
■フィラーを入れることで結晶性樹脂の結晶化が促進・制御され、成形性が向上

地球温暖化が叫ばれる昨今、石油由来プラスチックはどうしても悪いものにとられていますが、現代の私たちに欠かすことができない便利な素材です。
地球に優しい素材の開発も急がれていますが、これがそう簡単ではありません。
Ultibatchは、石油由来プラスチックの良さを保持しつつ、少しづつでもGHG排出量削減に貢献していく技術です。

Ultibatchにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
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