公開日:2024/01/23

最終更新日:2024/01/19

バイオプラスチックを巡る世界の規制動向

昨今、地球規模での気候変動が世界的な課題として認識される中、バイオプラスチックの活用に関して、多くの国で関連法規制の整備が進みつつあります。本コラムでは、バイオプラスチックを巡る世界の規制動向を詳しく見ていきます。まず、導入として、バイオプラスチックが注目される背景と、世界の大まかな動きを概観いたします。

そもそもバイオプラスチックとは?

バイオプラスチックは、
・植物などの再生可能な有機資源を原料とする「バイオベースプラスチック」と、
・特定環境において、環境中の微生物の働きによって大部分がCO2と水に分解する「生分解性プラスチック」

の総称として用いられるのが一般的です。

バイオベースと生分解性は異なる概念であり、バイオベースであっても生分解しない材料や、化石由来の原料から作られた生分解性プラスチックなども存在します。
また、生分解性は、堆肥、天然土壌、海洋など、どのような環境で分解するかという観点で理解する必要があります。例えば、仮に堆肥下で分解しても、海洋環境で分解するとは限らないという点に注意が必要です。特定環境との関連性を明確にするために、「コンポスタブル(堆肥化可能)」や「海洋生分解」といった表現も用いられます。

European Bioplastics e.V.「Bioplastics – European Bioplastics e.V.」,参照_2024.1.19. https://www.european-bioplastics.org/bioplastics/
画像提供:株式会社ケミトックス

バイオプラスチックが注目される背景

気候変動による影響の深刻化に伴い、化石燃料を用いて製造され、使用後は焼却処分されるたり、地中に埋められたりすることの多い一般的なプラスチックには、環境破壊の観点から厳しい目が向けられることが多くなってきています。
その対策として、プラスチックのリユース、リサイクルに加え、植物由来のバイオベースプラスチックの使用によって最終的に発生するCO2の収支を差し引きゼロに近づける、あるいは、生分解性プラスチックを用いて堆肥化や土壌分解を促進することで焼却量を抑え、且つ、植物の生育に活用するといった方向性が検討されています。

また、プラスチック汚染問題への対策という観点が挙げられます。廃棄されたプラスチックが、外的な環境要因によって細かく崩壊していき、いわゆるマイクロプラスチックとなって、特に海洋の生態系を汚染していることが問題視されています。そのような状況に対して、海洋生分解性プラスチックの使用を拡大することで、これ以上の海洋汚染を防ぐことが期待されています。

European Bioplastics e.V.「Commission’s Circular Economy Proposal leaves room for more ambitious actions on bio-industries such as bioplastics – European Bioplastics e.V.」,参照_2024.1.19. https://www.european-bioplastics.org/commissions-circular-economy-proposal-leaves-room-for-more-ambitious-actions-on-bio-industries-such-as-bioplastics/
画像提供:株式会社ケミトックス

バイオプラスチックを巡る世界の動き

バイオプラスチックについては、既に多くの製品が実際に使用されていますが、それを後押しするような規制が作られる動きが世界中で見られるようになってきています。
詳しくは次回以降に譲りますが、いずれもプラスチック汚染対策としてバイオプラスチックの活用が提案されています。

中でも、その多くがバイオベースプラスチック、生分解性プラスチックの特徴に沿って、効果的と思われる用途を特定するかたちでの活用を想定している点に留意する必要があります。「環境対策としてのバイオプラスチックの使用は、リサイクルやリユースといった他の対策も含めたシステムの一部として、全体における廃棄物量の削減を阻害しないかたちで推進する必要がある」という考え方です。
その観点から、例えば、レジ袋といった使い捨て製品をバイオプラスチックに代替することに慎重な意見が出ている地域もあります。

環境負荷の低減という目標に向けて、いかに実効的な施策を講ずるか、という大きな視野に立って規制動向を追っていくことで、今後、どのようにバイオプラスチックの活用が拡がっていくかを正しく見定め、自社のビジネス展開に結び付けることができるのではないかと思います。

主要国の具体的な規制動向/ケミトックスのサービス

次回以降のコラムでは、主要国における具体的な規制動向として、欧州、米国、日本、中国などを採り上げ、さらにその後は海外の生分解性・バイオベース材料認証、リサイクル材含有量認証の最新動向をご紹介していきたいと考えております。

弊社ケミトックスでは、第三者試験機関として「コンポスト/土壌/海洋環境など様々な条件に対応した生分解性試験サービス」を展開し、それと同時に海外の主要な認証機関/試験機関とネットワークを構築することで、「海外の生分解性、バイオベース、リサイクル材含有量認証の取得支援、食品接触材料の規制対応支援」などを行っております。
ビジネスを通して培った幅広い情報源に基づき、バイオプラスチックに関する世界の規制・認証に関する最新動向をお伝えしてまいります。ご期待ください!

1/31~2/2に、東京ビッグサイトの「GREEN MATERIAL」展に出展します(東5ホール 5R-24)。2/2の14:30から、海洋生分解性認証に関する出展者セミナーを開催いたします。ぜひご参加ください。
https://unifiedsearch.jcdbizmatch.jp/nanotech2024/jp/sem/convertech/seminar_details/64FpMy3rqQ0

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profile

藤岡 博明

<所属>株式会社ケミトックス
<専門分野>バイオプラスチックに関する国内外の規制動向及び評価試験方法
製品の安全性を評価する第三者試験機関の一員として、生分解性試験/認証を中心に、幅広い産業分野における海外規制対応を支援