ISCC、および ISCC PLUS とは?

ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)は、2006年にBMEL(ドイツ連邦食糧・農業省)、FNR(再生可能資源庁)のサポートを受けて開始されたProjectです。
設立の目的は、持続可能で完全に追跡可能、森林破壊がなく、気候に優しいサプライチェーンをサポートする認証システムにより、環境的、社会的、経済的に持続可能な生産に貢献することにあります。すなわちバイオ燃料の使用促進です。
2009年には欧州での「再生可能エネルギー導入を推進する EU RED指令(Renewable Energy Directive)」の内容を取り込み、2018年には「EU REDⅡ規制」にも対応しています。

ISCCの運営・維持は「ISCC System GmbH」が行なっています。
ISCCには認証対象別に6つのスキームがあり、ISCC PLUSはその一つです。6つのスキームについて以下に簡単にまとめていますが、詳細は以下のWebサイトで確認してください。
https://www.iscc-system.org/certification/iscc-certification-schemes/

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6つのスキームの中で、プラスチックに関するものはISCC PLUSだけです。ただ、EU域外のバイオ燃料もこちらのスキームになるので、要件としてはISCC EUを参照する記載が含まれてしまいます。

認証実績

認証は、SGS、Control Union、Bureau Veritas、SCS などが行なっており、認証の有効期間は1年で、毎年更新が必要です。
2023年11月時点でのISCC認証総数は 51,436件 ですが、これは有効期限切れの認証を含んでおり、現在有効な認証数としては 9,713件 です。RED指令の影響もあり、認証実績としてはかなり多いように感じます。
認証機関別の認証実績を以下にまとめました。このうちSGSは、日本での認証活動開始が2021年9月1日と遅れてのスタートでした。

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認証情報は以下のWebサイトで検索できます。
https://www.iscc-system.org/certification/certificate-database/all-certificates/
実際にどの種類のバイオマスプラスチックを生産しているのかは、認可証の記載を確認しないとわからないところが少し残念です。

認証ステップについては、以下に詳しく記載されています。
https://www.iscc-system.org/certification/certification-process/

バイオマス度の算出

バイオマスプラスチックには、その材料にどの程度バイオマス素材が含まれているのかを数値化する「バイオマス度」という指標があります。
下図例を用いて実際のバイオマス度を説明します。CoCとしてはMass Balanceを用います。

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原料(Input)100tonのうち、植物由来(Sustainable成分)が10tonとして、バイオマス度は10%です。4種類の製品(Output )がそれぞれ35ton、25ton、19ton、16ton得られるものとします。合計95tonです。足りない5tonは未反応残渣などです。

Input:100tonに対してOutput:95tonなので、製造による変換係数は0.95となり、Output全体でSustainable成分は、Inputの0.95、すなわち9.5tonとなります。
Mass Balanceの場合、この9.5tonをOutputの中で振り分けることができますが、Output3の19tonに全量振り分けると、Output3のSustainable成分は50%となり、他のOutputは0%となります。

私自身も変換係数については意識していませんでしたが、今回ISCC PLUSのSystem Documentを読む中でしっかりと理解することができました。
図の例では重量で割り当てを考えましたが、これ以外にも各成分のエネルギーで割り当てる方法など、合わせて4通りの割り当て方法が明示されています。
いずれにしろ、Inputの100%に対して製造の変換係数が加わることは注意しておいた方が良いと思います。

ISCC PLUSを取得するということ

規格のベースはバイオ燃料の製造に関わるところですが、基本的な考え方はPCR材と同様、製造工程におけるインプット、アウトプットの記録をつけていくところにあります。
バイオマスプラスチックは、PCR材よりも工程としてさらに上流での素材処理となるので、第三者認証は今後必須になるものと推測します。

ISCC PLUS については、バイオ燃料が多いとはいえ認証実績総数の51,436件という数値は、これからバイオマス認証を取得しようと考えている企業にとっては、規格そのものの運用実績として安心材料になると思います。
認証機関も多く、他の国際認証と同じ機関に依頼するなど選択肢も豊富で、取り組みやすい規格に感じます。

バイオマスプラスチックに関する規格シリーズ

  1. 1. 環境配慮型プラスチックにおけるバイオマスプラスチックの位置付け
  2. 2. バイオマスプラスチックの製造について
  3. 3. 【解説】バイオマスプラスチックに関する規格・認証① 「ISCC PLUS」
  4. 4. 【解説】バイオマスプラスチックに関する規格・認証② 「REDcert2」
  5. 5. 【解説】バイオマスプラスチックに関する規格・認証③「RSB」