法規制とラベルの違い

事務機器を設計、製造、販売していくには、世界的な条約はもちろん、製造国・販売国におけるさまざまな法律・規制・規格・指令・基準などに対応していかなければなりません。
本コラムでは、遵守しない場合に ①販売差し止め、②輸出入の差し止め、③罰金を受ける、などの罰則を受ける上記の遵守事項を「法規制」と呼んでいます。法規制には電気安全規格、化学安全法規制、環境規格、労働衛生基準などがあります。
  一方で、罰則規定などはなく、取得も任意ではあるものの、地球への環境負荷低減に繋がる商品やサービスにラベルが付与される制度があります。これを「環境ラベル」と呼んでいます。環境ラベルにはグリーン公共調達(GPP : Green Public Procurement)と呼ばれる、国や地方公共団体のコンペ時の入札条件になっているものもあります。

世界の主な環境ラベルと取得メリット

「環境ラベル」には目的や運用団体ごとに、さまざまな種類のものが存在しています。
環境省のウェブサイトには、日本で運用されている環境ラベルがまとめられています。

環境省.「環境ラベル等データベース」,参考_2023.2.20.
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/index.html

また、視点を日本から事務機器業界に変えると、世界各国では、表のような環境ラベルが企画、運用されています。

上の段でも述べているように、環境ラベルの取得を公共調達の要件の一つに設定している国もあります。表中に「GPP」と示されているものが、各国で公共調達要件になっている環境ラベルです。
  環境ラベルを取得するメリットは、①企業イメージの向上、②公共入札への参入、③購買者へのアピール などがあります。①②はすぐに想像がつくと思います。 ③については、例えばアメリカの大手家電量販店(OA家電含む)では、製品陳列棚のスペースを決めるのに「EPEAT」のランクを参考にしているという情報があります。店舗としても、環境負荷の少ない製品を取り扱っていることを購買者にアピールするメリットがあり、EPEATのランクが高い製品への割り振りを多くして対応しているようです。

表中のラベルは 各国機関の登録商標です
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事務機器業界の三大環境ラベル

さまざまな環境ラベルがある中でも、「エコマーク」「BlueAngel」「EPEAT」は、全ての事務機器メーカーが取得を目標としていると言っても良い、有名な環境ラベルです。 勝手ながらこのコラムでは「三大環境ラベル」と呼ばせていただこうと思います。  エコマークとBlueAngelは歴史が長く、結びつきも強い基準です。エコマークの商品類型No.117は複写機向けに作られたものですが、商品類型No.122であるプリンター向けの基準を作成する際にはBlueAngelを参考にしたという歴史があります。この2つの基準は2015年に相互認証を開始しています。BlueAngelには、使用済みのラベル取得製品に関して欧州域内での回収義務がありますがエコマークにはその義務はありません。それ以外の基準については同じ内容になっています。その点EPEATは、市場回収(リサイクル)プラスチックの使用を義務付けるなど、現時点はある程度の独自色を持った基準になっています。

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