公開日:2023/07/27

最終更新日:2023/07/27

米国PBの発展と
昨今のPBトレンドについて

前回のコラムにてPB(プライベートブランド)の起源と欧州でのPBの発展について纏めましたが、今回は米国のPBの発展と、昨今のPBのトレンドについて纏めてみました。

米国でのPBの発展

欧州でのPBの起源は1844年の生協(Co-op)でしたが、米国でのPBの起源は19世紀前半のブルックス・ブラザーズで、食品においては1840年の食品雑貨店のJ.W.Bunn&Coが、弁護士や友人などの顧客名をブランドにしたオリジナルコーヒーを販売したところに遡ります。
19世紀半ばから紅茶、コーヒーなどの小売のA&PがPB化を推進し、1913年にはサーモン缶、ジャム、シリアルなどを製造するメーカーを立ち上げました。1919年にはコーヒーの製造メーカーも買収し、これらによりPBが強くなった反面、NBとの軋轢が生まれることとなりました。

1930年からクローガーやセーフウェイなどのチェーンが台頭し、PBとNBが直接的に競争しない品揃えとしておりましたが、それでもPBの4割強は自社グループでの製造でした。

1970年代後半になると、ジュエルという小売で、以前のコラムでも紹介したノンブランドで低価格・低品質である「ジェネリック商品」も展開されましたが、1983年がジェネリック商品のピークで、その後、品質の低さから急激に失速しました。

1990年代に入りPBの消費者に対する信頼性が高まり、PBのシェアは拡大しました。その頃には消費者のPBの認知度はかなり広まり、成熟化するにつれて、高級化したPBが主流になりつつあり、各小売がプレミアムブランドでの商品展開を開始しました。

2000~2010年代、特にリーマンショック以降、PBをテコ入れする動きが加速しました。ウォルマートの基幹PBのGreat Valueのリニューアルや、健康志向・自然派志向の高まりを受けて、オーガニック商品をPB化したセーフウェイのO Organicなどが発売されました。
クローガーは2012年にナチュラル・オーガニックをコンセプトにシンプルトゥルースというブランドを立ち上げ、2014年には10億ドルの売り上げを達成しました。また2000年代後半になって、欧州のアルディやリドルなど、PBがメインの品ぞろえとする「ハードディスカンター」も米国で事業展開がされました。

神谷渉.「協働型プライベートブランド : 食品小売業におけるプライベートブランドの進化と消費者購買行動への影響」. P15-20_2022.2.28,(参考_2023.7.24)

昨今のPBトレンドについて

従来のPBが価格と品質の関係性が重視されてきたことに対し、昨今ではZ世代などの新たな消費者の台頭、競争の激化、テクノロジーの進化等を背景とする新たな価値観を反映したPBが出現しつつあります。
SNS全盛期時代において、商品のストーリー性や、写真映え、動画映えする商品に対する需要がこれまで以上に高くなっており、商品のコンセプト、パッケージデザインの重要性が高まっています。
「企画者の顔」が見えることも重要で、例として、テスコのWicked Kitchenはビーガン領域の著名シェフとのコラボレーションによって誕生しました。企画者が自分のブランドとしてコミットしてくれる為、積極的にSNSなどで情報発信をしてくれます。また有名人としても自分のブランドを立ち上げる前のテストマーケティングとしても使えるというメリットもあります。

ターゲット社はデジタル化への対応を加速させた2010年代後半からPBの刷新を行い、食品分野では2019年にGood&Gatherを立ち上げ、プレミアムやナチュラルなどの分野で展開されるだけでなく、定番ラインの商品も同ブランドでカバーしており、2021年には代替肉などのプラントベースフードもラインナップに追加されました。機能面だけでなくファッション性も意識し、日用品分野では2018年に低価格PBのSmarty、環境配慮型PBのEverspringが2019年に立ち上がり、20年度にGood&Gatherは20億ドルの売上達成しました。
日本においても、大手流通で一流料理人が監修したシリーズの展開や、健康に配慮したPBで有機食材を使った菓子や調味料、スープなどを販売している事例もあります。

神谷渉.「小売業の顧客接点戦略におけるPBの役割-海外小売業の事例から-流通情報No.555」. P53-58_2022.3,(参考_2023.7.24)

パッケージによるブランディング

先ほど、ターゲット社のEverspringの事例を挙げましたが、製品の中身のみならず、包装するパッケージ自体も環境配慮型とすることはブランディングとしても非常に重要です。当社でも環境配慮型パッケージを開発しており、生分解性素材であるPLAを用いたトレイや、卵殻などの炭酸カルシウムを練り込み、プラスチック使用量減を実現したPPトレイなどを開発しています。
詳しくはこちらのコラムでもご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

またトレイ以外にも、モノマテリアルパッケージなどの開発も行っておりますので、パッケージの環境対応化につき、ご興味のある方・お困りの方は、是非お気軽にお問合せ下さい。

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化学品専門商社:長瀬産業グループのメンバーを中心に構成。
専門領域であるプラスチックを基軸に、サステナビリティを実現するためのソリューションと、業界を横断した情報を展開する。