公開日:2024/03/28

最終更新日:2024/04/08

循環型経済をデザインする「crQlr Awards 2023」受賞プロジェクトの発表

株式会社ロフトワーク(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:諏訪光洋)と、クリエイティブコミュニティFabCafe Globalは「crQlr Awards2023」を開催。
43カ国、140件のプロジェクトの応募の中から、28件の受賞プロジェクトを発表しました。
今回の記事では、主に特別賞の3つをご紹介します。

crQlr Awards(サーキュラー・アワード)とは

3つの理念を掲げ、循環型経済の実現を目指す⼤規模なプロジェクトから計画中のアイデア・活動・アート作品まで、幅広く募っているアワードです。

1.直線型ではなく、循環型の評価を行うこと
2.名声ではなく、行動のためのアワードであること
3.グローバル視点を獲得できること

回を重ねるごとに世界中へと広がっており、3回目の開催となる2023年は過去最多の参加国数を更新。43カ国、140のプロジェクトが集まりました。
選ばれたプロジェクトは、世界にインスピレーションを与えるプロジェクトとして讃え、活動のさらなる後押しに繋がるサポートを行っています。

■審査員
デンマークのイノベーションラボ「SPACE10」の共同創業者のGuillaume Charny-Brunet氏をはじめ、東日本旅客鉄道株式会社 入江洋氏、建築家 成瀬友梨氏ら、イノベーション、デザイン、AI、アート、モビリティ、建築、コミュニティ、テクノロジー、バイオなど、多様な分野で実績を持つプロフェッショナルが参加しました。

画像提供:(株)ロフトワーク

特別賞 「FabCafe Global Prize」受賞プロジェクト

・Guilty Flavours
プラスチックごみから変換された成分を使ったアイスクリームの開発。廃棄物に対する固定観念を変容させ、人工物を生態系の中に位置付けた未来の「共生」を想起させる問いを投げかけています。

画像提供:(株)ロフトワーク


・Sea vegetable Circulation
磯焼けにより減少しつつある海藻を採取して研究。環境負荷の少ない陸上栽培と海面栽培によって蘇らせ、海藻の新しい食べ方を提案しています。
「海藻」に新しい価値をもたらし、持続可能な産業と海洋環境の改善の両立に挑戦中です。

画像提供:(株)ロフトワーク


・森林循環‧林業創生‧REWOOD
台湾の全体的な林業産業チェーンを分析したところ、国産木材の利用率がわずか1%と判明。7Rのゼロ廃棄原則に基づいて、「REWOOD森林循環湖口創生」システムを構築しました。
「森林資源の活用」を軸に、技術継承と雇用創出を実現し、地域の経済活動を駆動させる仕組みを社会実装しています。

画像提供:(株)ロフトワーク


■特別賞審査員 木下 浩佑氏のコメント
廃棄物の課題に取り組む様々なアイデアをはじめ、環境インフラに着目したプロジェクトが印象に残った「crQlr Awards 2023」。
特別賞では、「地域社会への価値還元」「生物多様性へのポジティブな影響」「新しいパートナーシップのデザイン」を評価基準に掲げ、3つのプロジェクトを選出しました。
いずれも、従来の産業構造やシステムの枠組みを越えた新しい関係性の構築を通して、目の前の課題解決に留まらず、100年、1000年と続く社会のデザインを目指すものといえるのではないでしょうか。

結果発表サイト:https://crqlr.com/ja/crqlr-awards/2023/results/

チェアマンKelsie Stewartのコメント(一部抜粋)

今年の応募作品の多様性とプロジェクトの質の高さを目の当たりにし、感激しています。循環型経済におけるバリューチェーンは、経済合理性の結果、長く複雑なものになっています。
そんな中、サプライチェーン上のバリューをその「表」や「裏」でつなぐだけではなく、既成の社会規範やビジネス規範そのものを問い直すようなプロジェクトが増えていることに興奮を覚えました。

今回の特別賞のテーマである「新しい関係性のデザイン」で表現された「ソフト」と「ハード」の両方のアプローチにも刺激を受けました。
廃棄物と私たちの関係を深く問いかけ、時には私たちの身体を新たなリサイクルマシンとして、観客の心を揺さぶるアーティストの姿を垣間見ることができました。
一方では、新たな「Internet of Waste((IoTのように、廃棄物がインターネットに接続され、データの収集・分析・活用がされるシステム)」の到来が間近であり、テクノロジーをより効果的に活用し、優れたデザインと拡張性を備えたうえで自己完結するシステムを構築できる、希望に満ちた未来も見えてきました。

crQlr Awardsの目指す未来

crQlr Awardsは、循環型社会を目指す世界中のプレイヤーを、集めてつなぎ、活動を後押しするグローバルアワードです。
サーキュラー・デザインを実践するプロダクト、サービス、アート、教育、システムデザイン、都市計画など、幅広いプロジェクトがアワードに集まります。
国や産業を超えたコラボレーション通じて、社会的・ビジネス的規範に挑戦し、レジリエントで公平でリジェラティブな未来の実現を目指します。

記事作成協力:株式会社ロフトワーク

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profile

長島 絵未

<所属>株式会社ロフトワーク MTRL バイスMTRLマネージャー/ディレクター  
<専門分野>プロジェクトディレクション、クリエイティブディレクション、プロジェクトマネジメント

<紹介文>化学メーカーや素材メーカーをクライアントとしたプロジェクトを推進。サーキュラーエコノミーとサステナブル素材に関わる仕組みのデザインと実践を行なっています。
https://loftwork.com/jp/people/emi_nagashima