公開日:2023/07/28

最終更新日:2023/07/28

PLA(ポリ乳酸)を原料とする植物由来の新素材「PlaX™️(プラックス)」
~循環型社会のOSとして、その社会実装を目指す~

PlaX™️はバイオプラスチックであるPLA(ポリ乳酸)を原料に、その品質と機能を大幅にアップデートさせた新素材です。
今回は、当素材が備える特徴やその用途、そしてPlaX™️の普及がどのように循環型社会の実現へと繋がっていくのか、そのビジョンについてご紹介します。

PlaX™️について

PlaX™️はPLA(ポリ乳酸)の可能性に注目し、長年の研究開発を進めてきたBioworksが、独自開発した植物由来の添加剤を加えることで、耐久性や耐熱性などPLAが普及しきれなかった課題を解決することに成功した新素材です。
PlaX™️は、従来のPLA同様のバイオプラスチックとしての用途のみならず、ポリエステルなどの石油を原料とする合成繊維の代替として利用が見込まれており、環境リスクに対する喫緊のアクションが求められているファッション業界からは、大きな注目を集めています。


画像提供:Bioworks(株)


サステナビリティに貢献する

ではなぜPlaX™️がサステナブルな新しい選択肢として注目を集めているのでしょうか。
それは「地球温暖化」「資源の枯渇」といった、今地球環境が直面しているリスクに対し、そのソリューションを提供するからに他なりません。
原料となるPLAはサトウキビの糖を採取し、生成されています。それらは天水栽培で育つことから、生育における労働・資源コストが限りなく低いことが特徴です。
またサプライチェーンの工夫もあって、一般的には繊維の製品ライフサイクルにおいて、CO2排出は製造工程がおよそ8割を占めると言われる中、PlaX™️は石油を原料とするポリエステルと比較し35%ものCO2排出量を削減することができます。

また、製品としての役目を終えたPlaX™️は、その時、その場所において最適な手段で循環させることができます。
ある一定の温度・湿度環境下、微生物の力によって水と二酸化炭素に分解する「生分解」や、PlaXに備わるメカニズムを利用し、ヴァージン材を使うことなくPlaX™️からPlaX™️を生成する「ケミカルリサイクル」など、循環のレシピは多岐にわたります。
現在の日本国内では一般的な処分手法である「焼却」でも環境への貢献が期待でき、石油樹脂と比較すると燃焼時のCO2の排出を大きく軽減することが可能です。加えて、ダイオキシン等の有害なガスが排出されることもありません。


画像提供:Bioworks(株)


ウェルビーイングにも貢献する素材

PlaX™️の特徴はサステナビリティ分野に限ったものではありません。
PLAから品質を大幅にアップデートすることで可能となった繊維用途において、特に大きな効果が見込まれる特徴が「抗菌・消臭性」です。
PlaX™️は分子レベルで微量の乳酸を分泌することが分かっています。 乳酸には雑菌の繁殖を抑制する働きがあるため、繊維化したPlaX™️においては優れた抗菌性を発揮します。
特に黄色ブドウ球菌や大腸菌、肺炎かん菌など、肌トラブルの原因と呼ばれる菌種への効果が実証されており、また部屋干しの嫌なニオイの原因菌であるモラクセラ菌にも作用することで、消臭効果も謳えます。
さらに嬉しいことにPlaX™️はこれらの機能を天然由来で備えていることから、使用を続けてもその効果は半永久的に持続します。

環境に貢献するだけではなく、抗菌・消臭効果でストレスを軽減し、心身の状態をより良くすることからウェルビーイングに貢献する素材でもあるPlaX™️。異なる2つの文脈からエンドユーザーにアプローチができることは、他の環境配慮素材にはない大きな特徴といえます。


画像提供:Bioworks(株)


拡大する実用化

音楽イベント開催時の使い捨てビールカップ、マネキンなど、様々なシーンで実用化がスタートしています。
直近では、7月29日に開催される「海ごみゼロウィーク2023(環境省プロジェクト)」の参加者Tシャツに使用頂くことが決まっています。

画像提供:Bioworks(株)


PlaX™️が描くビジョン

このようにPlaX™️は繊維用途を中心に、樹脂成型品用など、石油由来のポリエステルやプラスチックに代わるサステナブルで新しい選択肢としてその普及が進んでいます。
しかし素材が置き換わることでCO2削減効果が見込める一方、廃棄についてはまだまだ課題が残っています。
というのも、先に述べた「生分解」や「ケミカルリサイクル」で廃棄問題を解決できる素材ではあるものの、その処理を可能とする施設や設備は、残念ながらまだ世の中に整っていないからです。

BioworksはPlaX™️について循環型社会を実装するための「OS」と見立てています。新しいOS環境で新たなソフトウェアが稼働しはじめるように、PlaX™️というOSを社会にインストールし普及させていくことで、その受け皿となる社会を新しい仕組みへとアップデートしていきます。
「生分解」や「ケミカルリサイクル」といった新しい循環の仕組みが社会実装され、私たちが当たり前のようにそれらを活用し、循環をかたち作る未来予想図。それを現実のものとすべく、BioworksはPlaX™️の更なる普及と、研究・開発から得られた技術や知見を活かした循環型社会実装の為の様々なアプローチを試みていきます。

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小栗周作

<所属>Bioworks株式会社 クリエイティブコミュニケーション部マネージャー

<専門分野>ブランディング、コミュニケーション戦略

<紹介文>コミュニケーションを基点とした、Bioworksのミッション「新しい豊かさの種を蒔く」ための活動