公開日:2023/07/10

最終更新日:2023/08/04

「環境価値」と「証書」について②
~非化石証書について詳しく解説~

前回解説した「環境価値」と「証書」に引き続き、今回はその証書の一つ「非化石証書」について、解説して行きたいと思います。
現在、日本国内の代表的な環境証書には、「非化石証書」「J-クレジット」「グリーン電力証書」の3種類があり、中でも近年注目を集めているのが「非化石証書」です。

非化石証書とはどのようなものか

こんにちは、日本企業のサステナビリティ経営をご支援している「株式会社バイウィル」の丸浦と申します。
では早速、今回のテーマである「非化石証書」についてみていきましょう。

世界中で、脱炭素化活動が推奨される中、日本でも脱炭素化に向けた取組が行なわれています。
日本国民が利用している電気の約8割は、化石燃料を利用して発電されたものであり、化石燃料利用時に排出されるCO2は、地球温暖化の原因の一つとなっています。
この排出量を減らすことが、重要な課題であり、化石燃料を減らし、CO2排出量の少ない非化石電力の普及を促す対策の一つとして、「非化石部分」を証書にして取引できる、非化石価値取引市場が2018年に誕生しました。

画像提供:㈱バイウィル

非化石証書の活用方法

非化石証書を購入した、小売電気事業者や需要家及び仲介業者がどのように活用していくのかを説明していきます。

小売電気事業者
●小売電気事業者の基本的な活用方法は、自社で販売する電気に非化石証書を組み込んだ「実質再生可能エネルギー」として販売し、自社の提供する電気がクリーンな電気であることをアピールすることができます。

需要家及び仲介業者
●実質再エネ電気として利用
上記の電気を購入して、自社の消費電力を実質再エネ電気とすることができます。

●温対法や省エネ法報告への活用
 改正前までの省エネ法では、「エネルギー」の定義を化石燃料や化石燃料由来の熱・電気とされていましたが、2023年4月の改正後は「非化石エネルギー」が定義に追加され、エネルギー全体で取り組むように変わりました。
また、工場などで使用される内容も追加されており、一定規模以上の特定事業者などに対して、非化石エネルギーへの転換についての中長期計画書の作成・提出が義務付けられたため、これらを解決するための方法としても、非化石証書の活用が挙げられます。

●国際イニシアチブ報告への活用
トラッキング付FIT非化石証書については、国際イニシアチブのCDP及びSBT、RE100などの報告に利用可能となっています。
これらの国際イニシアチブへの報告を行なうことで、消費者や投資家からの企業イメージの向上につながります。

画像提供:㈱バイウィル

非化石証書の購入方法・費用・時期

現在、再エネ価値取引市場によって、需要家は2つの方法で非化石証書を購入することができます。主な具体的購入方法・購入費用について説明していきます。

1つ目は、再エネ価値取引市場に需要家自身が参加して購入する方法です。2021年11月に「再エネ価値取引市場」が新設されたことによって、電気を使用する需要家が直接、非化石証書を購入することが可能となりました。
当初、非化石証書の最低購入価格は 1.3円/kWh(税抜) でしたが、今では 0.3円/kWh まで引き下げられています。また、非化石価値取引に参加する条件としては、日本卸電力取引所(JEPX)の会員になる必要があり、11万円の入会金と、12万円程度の年会費がかかります。

2つ目は、代理仲介事業者を介して購入する方法です。小売電気事業者など、代理仲介業者を利用する場合、電気+非化石証書のセットで購入または、代行手数料+非化石証書のセット購入となるため、直接購入するよりも手間は省けますが、購入価格が高くなります。代理仲介事業者に依頼する場合、非化石証書代金に加えて、事業者に支払う代行手数料がかかります。(この代行手数料は事業者によって異なります)
※別途JEPX事務手数料が0.01円が必要になります。

また、購入時期ついて解説します。
非化石証書の入札は、例年5月、8月、11月、2月の年4回で開催されています。
入札の前後の流れとしては、購入申込→契約→非化石証書の調達→入札→非化石証書納品となっています。
なお、基本的には入札月の1か月前には、希望数量を確定する必要があります。

今後の動向

上段で述べたとおり、1kWh当たりの非化石証書の価格は、従来に比べ大幅に引き下げられました。
しかし、2023年度の入札からは、、1kWh当たりの単価が、0.4円になるとも言われており、トラッキングについても、近々有償化になるという話も出ております。
また、トラッキング付非化石証書は、各国際イニシアチブの報告や温対法、省エネ法等に活用することができます。そのため、下図のように、トラッキング付FIT非化石証書入札の参加者数は、年々増加傾向にありますので、この先トラッキング付FIT非化石証書の需要はますます高まっていくことでしょう。

画像提供:㈱バイウィル
経済産業省.「非化石価値取引についてー再エネ価値取引市場を中心にー資源エネルギー庁」,参照_2023.2.9.


非化石証書の制度には、課題もありますが、これらの内容をしっかりと理解して活用することにより、脱炭素化社会への貢献につながっていくことでしょう。
弊社では、非化石証書の代理購入サービスを行なっております。
脱炭素化をもっと促進したいとお考えの企業様は、全体の費用感や、より適切な購時期など、企業により決算時期は異なりますので、ぜひ弊社へご相談ください。

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丸浦 壮太郎(まるうら そうたろう)

株式会社バイウィル

https://www.bywill.co.jp/


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