公開日:2024/02/08

最終更新日:2024/02/02

工場の二酸化炭素排出量の見える化

地球温暖化に対する関心の高まりや、親事業者からの要望を受けて、自社工場の二酸化炭素排出量を見える化したいという問い合わせが増えています。
ライフサイクルアセスメント(LCA)とは、製品やサービスのCO2排出量等を算定し、環境負荷を評価する手法です。LCAを実施する上で、工場の各生産工程における消費エネルギーの算定が必要となってきます。
始めは何をどうしたらいいか分からないですが、自社で消費しているエネルギーや、購入品などの情報を整理していけば、CO2排出量の算定ができます。

LCAとカーボンフットプリント(CFP)の違い

LCAは、製品やサービスの環境負荷を総合的に評価する手法です。
原料調達~部品製造~組立~輸送~使用~廃棄まで、製品の全ステージを評価します。CO2排出による温暖化や、フロンガス発生によるオゾン層破壊、酸性化など、様々な環境負荷を見積もります。

一方、カーボンフットプリント(CFP)については、製品やサービスのライフサイクルにわたって算定する点はLCAと共通ですが、算定対象はGHG(温室効果ガス)に限定されます。算定ルールを統一することにより、自社の新旧製品の比較だけでなく、他社製品との比較も行えるよう、ガイドライン等の整備が進められているところです。

色々な言葉が出てきて、ややこしいですね・・。

LCAの実施手順

LCAは以下の手順で行います。

1.分析の目的、用途、分析する工程の範囲の決定する

2.投入される資源やエネルギーの量と、排出される環境負荷物質の量を調査・収集(インベントリ分析)する

3.環境負荷物質が、環境に及ぼす影響の大きさを評価する

4.改善の方向性をまとめ、有効な施策を実施する

LCAにおけるサプライチェーンと自社内生産工程の明確化
画像提供:一般社団法人中部産業連盟

1次データ(実測値)の重要性

CO2排出量を算定する方法は、2次データ(外部データ)による算定と1次データ(実測値)による算定とがあります。

2次データによる算定とは、産業平均の排出原単位データベース(IDEA)や業界が標準としているデータ(排出係数とも呼ばれる)など、外部の情報を使用してCO2排出量を算出する方法です。
容易にCO2排出量を算定できることから、現在はこの算定方法が主流となっています。

しかし、業界の平均値を使った算定となるため、個別の企業がCO2排出削減努力を行ったとしても、その削減効果を自社の製品に反映することができないなどのデメリットがあります。

一方、1次データとは、自ら収集・把握した個別データを使用してCO2排出量を算出する方法です。
1次データを使用することで、自社が消費するエネルギー、資源の種類や使用量をより詳細に把握することができ、正確性が高くなります。

サプライチェーン上で、各事業者が1次データ(実測値)を引き継いでいくことで、サプライチェーン上の各事業者の排出削減努力を自社の製品に反映させることができます。

1次データの測定や収集には、時間と労力、専門性が求められます。
また、測定した1次データに基づいて算定したCO2排出量については、その結果を正しく分析し、継続的な削減につなげることが重要です。

実測(1次データ取得)の手順

自社の各生産工程におけるCO2排出量の算定は以下の手順で行います。

1.対象製品の生産工程を明確にする

2.各工程における消費エネルギー(電力、燃料、エアー消費量など)を、一定期間を決めて計測・記録する また、投入材料、排出物等を明確にする

3.収集されたデータを分析し、期間での生産品目や数量と照らし合わせ、製品1個あたりの消費エネルギーを算出しCO2排出量に変換する

4.削減策の検討や効果の評価に活用する

このように、工場のCO2排出量の見える化は、自社のカーボンニュートラル取組を実施する上での第一歩となります。

1次データを収集して自社製品のCO2排出量を算定することにより、他社製品との差別化を行なうことができます。
また、1次データをサプライチェーン上で引き継いでいくことにより、各事業者が協力してCO2削減の取組を進めることができます。

二酸化炭素排出量の見える化や、ライフサイクルアセスメントの実施については以下の連絡先までお問い合わせ下さい。

出典:「一般社団法人中部産業連盟 月刊誌プログレス」

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