公開日:2024/04/23

最終更新日:2024/04/22

さまざまな業界が注目、サプライチェーンを評価する「EcoVadis」

近年、自社のみならずサプライチェーン上のサステナビリティ活動を評価する「EcoVadis」に注目が集まっています。
なぜEcoVadisが注目されているのか?長瀬産業サステナビリティ推進室がご紹介します。

注目されている理由

多くの企業が、環境や人権労働に関するサステナビリティ課題に取り組み、統合報告書やウェブサイトでの情報開示を進めています。しかし、多くの場合、情報開示の範囲は自社に限定され、取引先であるサプライヤーに関する情報については把握が難しいという現状があります。

そこで多くの企業は、取引先に調査票を送付するセルフアセスメント調査を実施しています。しかし、このアセスメントは、自己診断の形式であるため、十分な取り組みができているかどうかが、調査元にとってはわかりにくいものです。

EcoVadisは、アナリストによるサステナビリティ評価、およびリスクモニタリング、さらにはサステナビリティについて学べるEラーニングの提供なども含め、企業のサステナビリティに関する評価サービスを包括的に提供することが可能なため、近年さまざまな業界から注目されています。

EcoVadisとは

EcoVadisは、2007年にフランスで創立し、17年にわたり、世界180を超える国と地域で、13万社以上のサステナビリティ評価を行っているグローバル企業です。

評価対象企業は、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」のテーマと(表の横軸)、「方針」「実施対策」「結果」(表の縦軸)のマトリクスで評価されます。

スコアカードには、0から100のスコアと、それに応じたメダル(ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ等)が記載され、併せて強みと改善点に関するガイダンスが示されており、評価を受けた企業は、是正措置計画を策定してサステナビリティへの取り組みを改善することができます。

EcoVadisが他のESG評価機関と大きく異なる点は、「実取引への影響の大きさ」だと弊社は認識しています。近年取引先から、今後の取引に関する条件として「総合スコアで●点以上」「環境で●点以上」といった具体的な要求が実際に複数ありました。
条件を満たさない場合は、取引の継続が難しくなるという事態に陥るのですが、こういった動きは今後も増加するものと見ています。

長瀬産業が考えるサプライチェーンの課題

EcoVadisは、評価受審企業と1次サプライヤーのみを評価対象としています。
そのため、バイヤー(弊社から購入いただくお客様)にとっての2次サプライヤー(この場合、弊社は1次サプライヤーに当たる)の取り組みは、EcoVadis上での評価からは分かりません。
バイヤーとしては「長瀬産業のサプライヤーのサステナビリティに関する取り組みを知りたい」と思うのは当然ですが、この課題は中小規模のサプライヤーに生まれがちなものです。

『大手サプライヤーのような優れた情報開示ができていない。』これが、多くの中小規模のサプライヤーの本音であると思います。
しかし、EcoVadisは、中小規模のサプライヤーでも高い評価を得られる可能性のある評価機関だと考えます。
それは、立派な統合報告書、webサイトがなくても、地道に現場で取り組まれている「環境」「労働安全衛生」等に関する社内方針や規定、推進体制、取り組みをEcoVadisに提出(開示目的ではなく、EcoVadisの評価のみに使用)すれば良いからです。
実際、現場の努力から高評価を得ている中小規模のサプライヤーは多数あり、弊社もEcoVadisへ回答する上で、お手本とさせていただいています。

まとめ

サプライチェーンは企業と企業の繋がりで構成されています。
前段で言及した通り、EcoVadisは評価企業と1次サプライヤーのみを評価対象としています。
自社と1次サプラヤーに関するサステナビリティの取り組みを、まずしっかりと可視化し、適正な評価を受審すること、そしてサプライチェーン上で、それぞれの企業がこのような評価受審の「バトン」を繋いでいくことが、サプライチェーンにおけるサステナビリティ実現に繋がると考えています。

まだまだ課題の多い領域ですが、弊社もサプライチェーンの一翼を担っていくために、今後も取り組みの推進と情報開示に努めていきたいと考えています。

お問い合わせ

profile

蔵本茂樹

<所属>長瀬産業 サステナビリティ推進室
<専門分野>サステナビリティ推進 情報開示 評価機関対応 社内浸透
情報開示により長瀬産業のサステナビリティ推進に貢献することがミッション。地域×現代アートのテーマも個人的に追求中。