3.環境に関する企業の通知表~CDP~

こんにちは、plaplat編集部のTomです。前回のレポートでは、よく耳にする4つの組織の内、「WBCSD」と「TCFD」についてご紹介しました。
今回は残りの「CDP」「SBT」について、紹介させていただきたいと思います。(前編「WBCSD」「TCFD」についてはこちら


まずは「CDP」から見ていきましょう。
実はCDPは、正式名称:CDPなのです。発足当時は「Carbon Disclosure Project」の略語だったのですが、2013年からは正式名称となりました。

CDPは、2000年に発足された英国の非政府組織(NGO)であり、投資家・企業・国家・地域・都市が自らの環境影響を管理するための「国際的な開示システム」を運営している組織です。
提起された環境課題に関するエンゲージメント(働きかけ)も行なっていて、自身(世界)がもたらす環境影響を知り、世界が環境課題に対し行動する為の「価値」を創造していると考えることができます。

CDPは年に一度、調査対象となる企業に質問書を送付し、各企業から集計した回答内容を公開します。調査プログラムは「気候変動」「ウォーター」「フォレスト」の3種類が存在しており、各領域の回答内容により評価を行ないます。

企業は、A・A-・B・B-・C・C-・D・D-の8段階でスコアリングされ、A・A-は「リーダーシップ」、B・B-は「マネジメント」、C・C-は「認識」、D・D-は「情報開示」という格付けがなされます。ちなみに無回答の場合はFで、評価外になります。

plaplat的なの言い方をすると、「環境に関する企業の通知表(しかも公開される)」です。(いつも通り、だいぶ丸めました。)

これまで世界は、環境を考えて行動しなくてはならないと何となく分かっていても、事業活動を通じた短期の利益をどうしても優先していました。CDPが企業の行動を評価し、公表することで、これが投資家や消費者の判断に用いられるようになり、企業は短期的な利益・資本だけでなく、長期的な利益(持続性)を、今なすべき事として対応するようになります。

『30年先のことは分からないよ』と言ってしまいがちなこの世の中において、「30年先を考えて行動していることを{今評価する}」ことで、未来の問題を今の課題とすることに成功しているのです。

4.サステナビリティに向けた中間目標~SBT~

次に「SBT」を見てみましょう。正式名称は「Science Based Targets」です。
パリ協定に基づいて設定された「温室効果ガス排出削減目標」を指します。和訳としては「科学に基づいた知見と整合した目標」となるでしょう。

SBTは4つの法人によって共同運営されていて、「CDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)」が構成メンバーです。
CDPは評価を行なった上で、削減への働きかけも行なっているのですね。

同じように出てくる言葉として「SBTi」があります。正式名称は「Science Based Target initiative(科学と整合した削減目標イニシアチブ)」で、気候目標を達成する共同イニシアティブ・コラボレーションを指しています。SBTはあくまで目標ということですね。 SBTiが認めた目標=SBTと考えると、しっくり来るかも知れません。

SBTに参加する企業は、「コミット」または「認定」として登録されます。
『目標を設定します』という「宣言」をしただけの状態が「コミット」で、削減計画まで落とし込まれ、計画がSBTによって認められた場合は、「認定」になります。
22年12月時点で日本企業は66社がコミット、309社が認定になっていて、82%近くが認定を取得しています。他国はおおよそ50%程度なので、日本の積極性や真面目さが表れていると思います。

環境省.「グリーン・バリューチェーンネットワーク」資料P.41「SBT参加企業」,出典_2023.5.19.
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_syousai_04_20221201.pdf


SBTは、組織がカーボンニュートラルに向けて活動する上での「目指すべき中間地点」のような気がします。最終的なカーボンニュートラル、持続可能な社会に向けて「削減計画」を練り、「検証を行なえる体制」をとること、これが困難な課題を達成する為のセオリーであると思うのです。

次からは具体的な手法に入っていきます

ここまで、
✅ 現状の把握となる算定(WBCSD関連)
✅ 報告(TCFD関連)
✅ 評価(CDP)
✅ 削減(SBT関連)
の順に学んで参りました。

次からはそれぞれの手法について、学びを進めていきましょう。