全世界の食料廃棄量について

UNEP(国連環境計画)の2021年の報告書によると全世界の食料廃棄量は年間で9億3千万トンとなっており、全食料供給量は53億トンの為、約17%が廃棄されているという計算になります。その他に生産・加工・流通過程で失われた食料もあわせると全体として食料の3分の1は消費されることなく廃棄されております。セグメント別では家庭での廃棄が61%の5億7千万トン、外食産業での廃棄が26%の2億4千万トン、食品小売業での廃棄が13%の1億2千万トンとなっております。以下のグラフが廃棄量の多い上位10ヵ国となります。

UNEP Food Waste Index Report 2021 ,参照_2023.3.29.
https://www.unep.org/resources/report/unep-food-waste-index-report-2021


UNEPの資料では日本は年間約1千1百万トン、1人当たり廃棄量が88kg/年となっており、世界で16番目に食料廃棄が多い国となっております。

また2019年の世界人口77億人に対し、その内の1/9である約8億人が栄養不足という統計があり、2050年人口が96億人に達し、食料需要量が約69億トンに達した時、世界中では現在の2.5倍にもなる20億人の人たちが飢餓に苦しむと言われております。

食料に関連した経済損失について

経済面でもフードロスの影響は出ておりまして、世界のフードシステム(食料品の生産から流通・消費までの一連の領域)全体で年間市場価値が約10兆ドルありますが、フードロスを含めた食料に関連する経済損失は約12兆ドルとも言われております。

まず、①健康に関わる損失が6兆6,000億ドルであり、肥満によるコストが2兆7,000億ドルと試算されております。そして低栄養でもたらされる健康被害は1兆8,000億ドルになります。健康的な食事はまだまだコストがかかり、所得の低い人ほどカロリーの高い加工食品に頼りがちになります。このようなことをフードデザートといい、低栄養を招く原因の1つとなっております。また農薬、抗微生物薬耐性からもたらされる健康被害は2兆1,000億ドルとなります。
そして②環境(気候変動)に関する損失として3兆1,000億ドルを推計されております。気候変動によって農作物の生育地が変化したり、栄養価が減ったりするケースもある他、異常気象による農作物被害もあります。
最後に③経済に関わるコストとして2兆1,000億ドルあり、そのうちフードロスが大きな問題となっており、先述の通り、現在、食べるために世界で生産されている全食料のうち、3分の1が廃棄されております。
The Food and Land Use Coalitionによると、もし何の対策もしなければ、現状の12兆ドルというマイナスのコストは、2025年までに16兆ドルまで膨れ上がるとまで言われております。

The Food and Land Use Coalition ,参照_2023.3.29.
https://www.foodandlandusecoalition.org/wp-content/uploads/2019/09/FOLU-GrowingBetter-GlobalReport-SummaryReport.pdf

フードロスの発生段階について

UNEPの資料でも家庭、外食、小売というセグメントに分けて食料廃棄量の集計がなされておりますが、農産物の収穫後のロス、いわゆるポストハーベストロスについても考える必要があります。
世界全体での穀物全生産量(2005年~2007年)の平均値は3,938kcal/日であり、その内、約半分(51%)が人間に消費され、飼料等利用量として34% (内訳としては27%が家畜飼料、3%が種子、3%がその他利用)に仕向けられ、16%が食料サプライチェーン内で廃棄されております。ヨーロッパやアメリカなど穀物生産量の多い地域は家畜飼料に仕向けている量が多く、アフリカや東南アジアなど穀物生産量の少ない地域は、穀物を直接食料にして、必要なカロリーを確保している比率が高い傾向にあります。
廃棄の発生段階に注目してみると、中高所得国は半分以上が流通と消費の段階で発生しているのに対して、低所得国においては農業段階とポストハーベスト段階で主に生じているという傾向があります。
また世界全体の食料サプライチェーンにおけるロス・廃棄の内訳をみると、農業ロスと消費廃棄が全ロス・廃棄量の約30%ずつを占めている一方、ポストハーベストロスは約20%を占めております。中・高所得国で,食料供給量の半分を超えるロスが流通と消費で生じている国と、低所得国で主たるロスは農業段階とポストハーベスト段階で生じている国に大別されております。

西尾 道徳「西尾道徳の環境保全型農業レポート」,参考_2023.3.29.https://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=2686

フードロス削減のための包装

いかがだったでしょうか?フードロスといっても私たちの身近な外食や家庭での廃棄のみならず、流通や農業、作物収穫後のロスなどもあり、非常に多くの食料が毎日廃棄されております。それらを防ぐ為に1人1人が意識を高くすることも重要ですが、食品を包む包装材料についても気を遣う必要があります。
以前のコラムでもご紹介した通り、様々な流通形態の食品が内容物保護のため、プラスチックで包装されております。食品の酸化を防ぐ為のガスバリア包装や、電子レンジでも使用出来るように耐熱性を持たせたトレイ、また植物由来プラスチックを使用した包材もあります。当社でも環境対応包材やトレイの開発を自社で行っておりますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にお問合せください。