公開日:2023/12/25

最終更新日:2023/12/27

カーボンオフセットとは?非化石証書やJクレジットの活用についてもわかりやすく解説!前編(ヒナタオエナジー)

カーボンオフセットは、脱炭素経営の一環として、企業等が自らの温室効果ガス排出量を相殺する方法です。代表的なツールとして非化石証書やカーボンクレジットがあり、その活用は近年急激に増加しています。
カーボンオフセットの仕組み、温室効果ガス削減活動のなかでの位置づけや具体的な方法について、前編後編にわたり、わかりやすく解説します。

カーボンオフセットについての基礎知識

カーボンオフセットとは、温室効果ガスの排出量を削減するための手段の一つです。
企業等が自らの温室効果ガスの排出量を削減する努力を行った上で、目標とする排出量削減が達成できない場合、他の場所で行う植林など温室効果ガスを削減・吸収するプロジェクトに投資することによって、残りの排出量を相殺することを指します。
投資は再生可能エネルギーの導入や森林保全などの排出量削減活動を自ら実施または支援するか、他の事業者が排出量削減活動によって創出したカーボンクレジットや証書を購入することで実践します。

画像提供:株式会社ヒナタオエナジー

温室効果ガス排出量削減活動におけるカーボンオフセットの位置づけ

カーボンオフセットは、企業等が自らの温室効果ガスの排出量削減活動において、削減が難しい分野からの排出量の相殺や一時的な対策として活用されます。
環境省の指針では、「①自らの温室効果ガスの排出量を知って」「②主体的な排出量削減の取り組みを行い」「③ ②によっても避けられない排出量を埋め合わせる」という3ステップで実施し、カーボンオフセットが省エネや再生可能エネルギーの活用による自らの排出量削減を行わないことの正当化に利用されるべきではない、としています。

こうした優先順位でカーボンクレジットを活用すべき、という考え方をヒエラルキーアプローチといいます。

環境省「カーボンオフセットガイドラインVer.2.0」,出典_2023.12.18.https://www.env.go.jp/content/000130730.pdf

温室効果ガス排出量の現状

温室効果ガス排出量の現状は深刻です。主に二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化窒素(N2O)などのガスが大気中に排出されています。
産業活動、交通、エネルギー生産などが主な排出源です。メタンは牛の消化や廃棄物処理などにも由来し、一酸化窒素は肥料の使用や焼却などによって排出される場合があります。
これらの温室効果ガスの増加は、地球温暖化や極端な気候変動、海面上昇などの悪影響をもたらす可能性がありますがパリ協定が採択された2015年以降も依然として増加傾向にあります。温室効果ガス排出量の削減は急務となっています。

注:報告書公表時、2021年のLULUCF(土地利用・土地利用変化・林業)の排出量は推計できていない。
環境省「令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書(PDF版)」,出典_2023.12.18.https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r05/pdf/1_1.pdf
資料:UNEP「Emissions Gap Report 2022」より環境省作成

カーボンオフセットの取り組み事例

温室効果ガス排出量をオフセットしたい企業等の取り組みと排出量削減者・吸収者の取り組み例をそれぞれ紹介します。

排出量をオフセットしたい企業等の取り組み事例
1. 企業等が自らの事業を行う場所以外での排出量削減・吸収活動を実施または参加(投資を含む)
 ※東京ガス株式会社.「東京ガス社員が訪ねた カーボンクレジットを⽣み出す環境保全プロジェクトの現場」,参考_2023.12.18.
  https://carbon-neutral-lng.jp/sem/project-survey/ (出典:東京ガス株式会社)

2. 排出量削減者・吸収者が創出した温室効果ガスの削減・吸収量を定量化したJクレジット等のカーボンクレジットを購入
 ※J-クレジット制度事務局.「Jークレジット制度とは」,参考_2023.12.18.
  https://japancredit.go.jp/about/outline/ (出典:J-クレジット制度事務局)

3. グリーン電力証書や非化石証書を購入

排出量削減者・吸収者の取り組み事例
1. 森林保全
 ※高知県.「森を元気にし、切った木は有効活用する|カーボン・オフセット取組紹介」,参考_2023.12.18.
  https://japancredit.go.jp/about/outline/ (出典:J-クレジット制度事務局)

2.再生可能エネルギーへの転換
3.高効率機器の導入
4.畜産業における飼料の変更
5.廃棄物処理方法の変更

排出量削減者・吸収者が創出したカーボンクレジットを、排出量をオフセットしたい企業等が購入することで、削減困難な排出量を埋め合わせることができます。
(後編に続きます。)

出典:株式会社ヒナタオエナジーhttps://www.hinatao.co.jp/hinatao_solar/blog/article/blog-detail-03.html

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来村 俊郎

株式会社ヒナタオエナジー
代表取締役社長

ヒナタオソーラー | ヒナタオエナジー (hinatao.co.jp)


東京ガスに入社後、Harbard Uni Weatherhead Center 客員研究員として「脱炭素に向けたスマートシティネットワーク構築」をテーマに研究、論文を執筆。その後、東京ガスリブソリューションズ㈱ 常務取締役に就任。新規事業会社2社のコーポレート部門を支援。このとき支援を行った事業会社のひとつである㈱ヒナタオエナジーの代表取締役に就任。