公開日:2023/07/24

最終更新日:2023/08/04

石炭の代替燃料となる、廃プラ由来の固形燃料と「脱炭素」との関係性について

プラスチックは人々が生活する中で欠かせない素材ですが、その資源には限りがあり、また野放図な大量消費は地球環境に悪影響を及ぼします。故に廃棄される段階において如何に「リサイクル」するかが重要です。廃プラスチックのリサイクル方法の一つとして注目されているのが「RPF」と呼ばれる固形燃料です。

廃棄物の行方

使用された後、或いは製造工程等で間接的に発生した廃棄物のうち、再利用・熱利用を含む「再資源化」が困難なものは、最終処分場で埋め立て処分されています。環境省によると、日本では年間約4億トンの廃棄物が排出され、全体の排出量のうち52%が再生利用、45%が中間処理等での減量化、3%が最終処分と推計されています。

一方で、日本国内の最終処分場は、全国平均であと20年ほどで残余容量が尽きると公表されています。
最終処分場の増設は、土地の確保や周辺住民の理解、環境への影響などを総合的に考慮すると現実的に難しく、近い将来、埋め立てる場所がなくなるという問題は、待った無しで進行しています。
さらに脱炭素の観点から、化石資源の新たな採掘を伴うバージン材からの脱却が議論されており、これまでに増して「今あるもの」のリサイクルを積極的に行なう必要があります。

画像提供:加山興業株式会社

廃棄物も分ければ資源

廃棄物のリサイクルを進める上で一番重要なことは「分別」です。
弊社では、リサイクル率を向上させるために破砕選別施設を有し、例えば「廃電線」を銅線と被覆材に分ける機械や、「太陽光パネル」のガラスとシートを分ける機械などを設備しています。
そして、後述する固形燃料の原料等での利用により、多品種・小ロットの廃棄物も積極的にリサイクルできる体制を整えています。

今回は、廃プラスチック類のリサイクル方法として注目されている固形燃料「RPF」についてお話しします。

画像提供:加山興業株式会社



「RPF」は主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙、及び廃プラスチック類を主原料とした固形燃料で、石炭やコークス等の化石燃料の代替として、大手製紙会社、鉄鋼会社、石灰会社など多くの産業で利用いただいています。
マテリアルリサイクルが困難な廃プラスチック類のうち、塩素分が多く含まれている廃プラスチック類は、燃焼による排ガスでボイラーを痛めてしまう等、燃料として適さないため、近赤外線センサを使って素材を選別していき、破砕機で細かくしたのち、紙や木くず等を混合して、熱をかけて固めます。
廃プラスチックのリサイクル効率を高めることで、最終処分量を減らす工夫を施しながら、固形燃料(RPF)原料として再利用することができるのです。

画像提供:加山興業株式会社

固形燃料の利用が進むワケ

弊社のRPFには以下のような特長があります。

1.品質が安定:
 発生履歴が明らかな産業廃棄物や、しっかりと選別された一般廃棄物を原料として使用しているため、品質が安定しています。

2.熱量のコントロールが可能:
 ボイラー等のスペックに応じ、古紙と廃プラスチックの配合比率を変えるだけで容易に熱量変更が可能です。

3.高カロリー:
 原料として廃プラスチックを使用しているため熱量が高く、石炭やコークスなどの化石燃料の代替として使用可能です。

4.ハンドリング性が良い:
 RPFは固形で密度が高い為、コークス、粉炭等と同等の利便性をもち、貯蔵特性および輸送効率にも優れています。

5.CO2削減効果:
 環境省が公表している「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」において、一般炭が2.33t-CO2/tに対し、RPFは1.57t-CO2/tであり、石炭の利用に比べて約33%の二酸化炭素を削減することできます。

脱炭素を社会全体で進めるために

近年の脱炭素という世界の潮流がある中で、燃料の利用についても石炭からの脱却が進めれています。
RPFは、石炭やコークスと比べても経済性が高く、燃料使用時のCO2を減らすことができる等の理由で需要が増加傾向にあります。
また、環境省の地球温暖化対策計画における廃棄物の評価においても、RPFの製造量は 2020年:94.3万トン という実績値から、2030年 100.3万トン という見込み・目標を立てていることから、現時点では脱炭素対策の一つとして特定されています。

しかし、このような資源循環と脱炭素を実現するためには、廃棄物の中間処理業者だけでなく社会全体で対応する必要があります。製品をなるべく単一の素材で作ることや、廃棄時にしっかりと分別されることが今後より一層求められるのです。
皆様の事業の中でも、カーボンニュートラルに向けたさまざまな取り組みの一つとして、開発・製造段階や、廃棄時において、リサイクル効率の向上にお力添えを頂けますと幸いです。

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加山興業株式会社 経営企画室

<事業領域> 産業廃棄物処理・環境ソリューションコンサル・SDGs実装支援・環境教育・養蜂事業

愛知県豊川市にプラントを構える産業廃棄物の中間処理業者。焼却、選別、破砕、RPF製造、蛍光灯管処理、太陽光パネルリサイクルと多様な施設を保有し、解体・回収・運搬業務も行なうことで、産業廃棄物にまつわるサービスをワンストップで提供いたします。