公開日:2023/09/05

最終更新日:2023/09/05

『太陽光パネル』 適正処理・リサイクルによって使用後もクリーンに

再生可能エネルギーとして身近な存在となった太陽光発電。
石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料とは異なり、枯渇する心配がなく、発電時に二酸化炭素の排出がないという点で持続可能なエネルギーと言えます。一方で、太陽光パネルの廃棄段階を懸念する声も聞かれます。
では、太陽光パネルはどのように処理されるのでしょうか。

太陽光パネルの廃棄量推計と課題

家庭用から大規模発電用まで、幅広く導入されている太陽光発電は、経済活動における脱炭素の潮流から、今後も普及が進むことが予想されます。
しかし、製品寿命は20年から30年と言われており、環境省の推計によると2030年代後半以降、年間50万から80万トンの使用済み太陽光パネルが産業廃棄物として排出される見通しです。

さらに、自然災害や不良品など、自然劣化以外の原因により、製品寿命を待たず廃棄される可能性もあり、ピーク時には産業廃棄物の最終処分量の6%を占めるとの試算もあります。相当量の廃棄が見込まれることから、埋め立てによる最終処分を避け、リサイクルすることが必須となります。
しかし、現行法では廃棄された太陽光パネルに対するリサイクル義務がないため、太陽光パネルの構造や処理方法を正しく理解し、適切な処理先を選ぶことが重要となります。

画像提供:加山興業(株)


貴重な資源、有害物質を含有することも

太陽光パネルは、バックシート、封止材、太陽電池セル、表面のガラスが層状に重なったシートにアルミのフレームが付いています。
日本国内で最も普及している太陽光パネルは結晶系シリコン型と呼ばれ、一般的に重量比はガラス62.5%、EVA等のプラスチック類17.7%、アルミ15.7%、結晶シリコン3.4%、電極材料0.8%で構成されていると言われています。

アルミフレームの取り外しは容易ですが、層状になったシートから表面のガラスを剥離することが困難と言われており、今までは埋立による処分が主に行なわれていました。
しかし、アルミフレームにはアルミニウム、シートには銀、銅、ガラス等の異なった資源が含まれます。そのため周辺環境への悪影響を避け、資源循環、埋め立て処分場の負担軽減に貢献するため、製品寿命または破損等により使命を終えた太陽光パネルは、適切な処理が必要となります。
一方で、化学物系の太陽光パネルは鉛・セレン・カドミウムといった有害物質を含有しており、リサイクルが難しく、現在は製造メーカーが回収しています。

画像提供:加山興業(株)


どのように太陽光パネルはリサイクルされるか

当社では「ブラスト工法」と呼ばれる技術を用いて、太陽光パネルのリサイクルをしています。
まず、専用の機械によってアルミフレームを外します。次に、小さくて固い粒である投射材をシート表面のカバーガラスに吹き付けてガラスを剥離します。

剥離装置は手動式、自動式を保有しています。手動式は一枚の剥離に約7.5分かかりますが、あらゆる大きさ、形のパネルに対応可能なため、破損等により変形したパネルも処理できるメリットがあります。
さらに弊社では、自動式も導入しており剥離時間が約2分と非常に効率的に処理を行なう事ができます。
手動式、自動式を併用することで、より多くの太陽光パネルを適正処理することを実現します。
剥離後、比重差を利用した「ふるい機」にかけることで、投射したブラスト材と剥離したガラスを分離し、精度の高いガラスリサイクルを実現します。また、投射したブラストは再度利用できるように循環しています。

最終的に取り出されたアルミフレームはアルミくずとしてリサイクル、ガラスは建築資材メーカーがグラスウール化し、建設資材として活用されています。
バックパネルは精錬会社により銀・アルミ・銅が抽出されます。以上のように処理することで、リサイクル率約99%を実現しています。

画像提供:加山興業(株)


クリーンに使命を終えるためには

温室効果ガスを排出せず、枯渇する心配のないエネルギー源を使用する太陽光発電は、脱炭素の流れが加速する中、さらなる普及が考えられます。
しかし、放置や不法投棄、有害物質による環境汚染、大量廃棄による埋立処分場のひっ迫など、多くの問題が懸念されます。

マテリアルリサイクルの実現、埋立処分場の負担軽減のためには、リサイクル技術の開発、関係者間での正しい情報共有、適切な業者の選定など、社会全体で対応していく必要があります。
適切な処理を行なうことでリサイクル率約99%が達成可能な太陽光パネルとなります。使用段階はもちろん、適正処理・リサイクルによってクリーンに使命を終えることができます。
当社はこれからも、皆様とともに潜在的な課題に対応し、脱炭素、資源循環を追求して参ります。

お問い合わせ

profile

経営企画室

<所属>加山興業株式会社

<専門分野>産業廃棄物処理・環境ソリューションコンサル・SDGs実装支援・環境教育・養蜂事業

<紹介文>愛知県豊川市にプラントを構える産業廃棄物の中間処理業者。焼却、選別、破砕、RPF製造、蛍光灯管処理、太陽光パネルリサイクルと多様な施設を保有し、解体・回収・運搬業務も行うことで、産業廃棄物にまつわるサービスをワンストップで提供いたします