水回りのプラスチック

プラ基礎」でも紹介しましたが、プラスチックには「水や薬品に強く腐食しにくい」という性質があり、住宅の「水回り」(バス・キッチン・トイレ)の製品には、多くのプラスチックが使用されています。
下のバスルームの画像の中ですと、床や壁・天井材から、窓枠・バスタブ・シャワーヘッド・照明カバー等あらゆるものが、プラスチックで作られています。

水に強く腐食しにくいので、濡れたまま放置していても何ら問題ありません。もちろん掃除をしないとカビが付着することがありますが、これは腐食しているのではなく、表面の細かい傷などついた水垢や汚れを栄養にしてカビが繁殖しているためです。これを取り除くために強力な塩素系薬品を吹きかけるとカビは根こそぎ取れますが、塩素に強いプラスチックでつくられた水周り製品が損傷することはありません。


住設建材には「金属」も多く使用されます。「鉄骨鉄筋コンクリート」を代表するような長期的な強度信頼性が必要な構造体であったり、水配管やその継ぎ手のような一時的に高い圧力がかかる部品にも金属が使用されています。
しかし金属には、やはり重いというデメリットや、プラスチックほど成形加工性の幅が広くないということもあり、ガラス繊維を配合したエンプラ・スーパーエンプラ素材と設計・成形技術によって、長年金属の強度が必要とされてきた配管部品などにも、プラスチックが使用されるケースが増えてきています。

内と外を区切るプラスチック

ガラス窓のサッシには、重たいガラスを支えるためにアルミなどの金属が使われている場合もありますが、以下の利点と快適性をもつプラスチック製のサッシもあります。
熱を伝えにくい   ⇒室内と屋外の気温差による結露を起こしにくい
軽い・滑り性が良い ⇒窓の開け閉めが楽

しかし、快適を優先し安全性が欠けては元も子もありません。強度的な信頼性が必要な部分には金属を使用し、利点が活かせる箇所にプラスチックを使用することで、安全性と快適性を兼ね備えた住設建材をつくることができます。
それが可能なのは、金属との複合成形を容易に行なうことができる、成形加工性の高さ・応用の幅の広さがプラスチックに備わっているためです。

屋内を快適にするプラスチック

最後にもう一つ、まさに暮らしの「中」にあるプラスチックをご紹介します。
それは室内と外壁の間に存在し、普段目にすることも、触れることもない「断熱材」です。
うだるような暑い夏に部屋の中で快適に過ごせるのは、エアコンで冷やされた室内の空気が、断熱材によって低い温度のまま留まり、暑い外気温を室内に伝えないでいるためです。

断熱材となるプラスチックには、板床材の下に敷き詰めたり、壁材の中に貼ることができる「発泡ポリスチレンの板」や、スプレーで吹き付けて、その場で発泡・硬化させる「ウレタンフォーム」などがあります。
熱を伝えにくい性質をもつプラスチックを、「発泡」により内部に微細な空間(空気)含ませることで、さらに熱を伝えにくくしています。

進化する住宅とともに

もともと住宅は「使い終わったら廃棄する」というものではなく、基本的には永く使われることを前提に造られています。
そこに、より環境負荷の少ない工法を採用したり、より断熱効果の高い構造にして省エネ化したり、または太陽光発電でエネルギー自給を行なうなど、私たちの暮らしの持続可能性を高める進化も続いています。
暮らしにサステナブルな快適性をもたらす住設建材の素材として、プラスチックは今後も住宅の進化に貢献していくものと思います。


プラと衣食住① プラスチックが作る食文化
プラと衣食住② 私たちが「着る」プラスチックの今後
プラと衣食住③ 快適な住環境を支えるプラスチック