廃プラの主要集散地

中国の廃プラ集散地及び取引地は既に全国に広がっており、その中でも、より大規模な廃プラ取引流通センターと処理集積地が形成されている代表的な地域としては、遼寧(営口、錦州)、天津(静海)、四川(達州)、湖南(株洲)、湖北(宜昌)、江西(南昌)、安徽(池州)、江蘇(蘇州、宿辻)、上海、福建(南安)、浙江(寧波、温州、金華、紹興)、広東(汕頭、佛山、深圳、東莞)、河南(安陽)、河北(文安)、山東(済南)などの15地区です。

それぞれの地域で、廃プラの回収から粉砕・リサイクル加工・製品化といった市場ができています。このようなメカニカルリサイクルを関わる業者・メーカーは、全体的として個人事業主中心ではありますが、勃興期には全国で1万社存在していたと言われているほど、各地域におけるリサイクルプラスチックの市場規模は増加していきました。

大規模な廃プラ集積エリア

廃プラの既存回収手法

現在中国の廃プラ回収量の3分の2は、一般市民による人工的な回収や市運営の廃品回収センター、廃品分別センターによる回収などで、ルール化・組織化された方式にはなっていません。
しかし近年では、政府によるインフラ整備とさまざまな新興企業が回収業界に参入したことによって、スマート回収ボックスの配備、自治区が運営する各種回収アプリの投入、企業によるプラットフォーム式の回収、EPR(拡大生産者責任)式回収など、多様な回収モデルが生まれ始めています。
プラットフォーム式では、ユーザーが予め登録した上で、オンライン通話による回収相談とオフラインでの引取回収の方法を採用し、回収、輸送、解体まで、あらゆる廃品の回収チェーンが構築されています。既存の回収業者との連携も可能で、回収された廃品を直接解体工場に送ることで、中間業者を短縮し、回収経路をより合理化することができます。
EPR式では、製造者は自社製品に対し、出荷時のGPS搭載や倉庫・物流統合ERPシステムを通じて、廃棄におけるフローコントロールを実現し、消費者の家庭から出る使用済みおよび廃棄家電が、正規の解体事業者・リサイクル業者へ流れる点が重要なポイントになっています。
また、上記以外でも解体企業による既存回収ルート(廃品拾い者回収・回収センター・分別センター)の機能統合も行われております。

政策規制によるリサイクルメーカーの統合

加えて2021年7月、「中国の発展と改革委員会」は今後の方針として「第14次5カ年計画期間における循環型経済発展規則」を発表しました。ここでは廃プラスチックリサイクル業の管理方法、優良企業への資源集中推進、プラスチック廃棄物のリサイクル・再利用の強化、プラスチック廃棄物の埋立削減などが示されました。
更に翌2022年6月には、より具体的な「廃プラスチック汚染防止技術基準」が「生態環境部」から打ち出され、国内の廃プラスチック業界は厳格な規制を受けることになりました。

1万社を超えると言われていた、旧来の廃プラスチックのリサイクル・加工企業のほとんどは規模が小さく、技術も後進的であり、中には環境影響評価を受けていない違法な工場も含まれていました。しかし、前述の一連の政策規制により、さらに2020年のCOVID-19による経済不況の影響も加わったことで、廃プラスチック関連企業の登録は大幅に減少し、2021年には中国の廃プラスチック関連企業数はわずか1,135社までに減少しました。今も継続して政策規制強化によるリサイクル企業の減少、淘汰、統合などが大きく進んでいくものと予想されます。

良質で標準化された市場へ

このように、これまで量・質ともに発展を続けて来たプラスチックのリサイクル市場ではありますが、プラスチック製品生産量の全体で見るとリサイクル率はまだ低く、2021年ではわずか23.7%に止まっています。その為、同市場は今後も更に拡大することが予想されます。

一方、中国のリサイクル産業は環境保護などの国策の影響を受ける政策型産業である為、一次プラスチック消費の低減活動や廃プラ回収規制強化、廃プラ輸入の減少等の影響を受け、廃プラスチックリサイクル企業は奔放な発展段階を終え、政策と規制により標準化された優良企業へと統合されていく方向にあります。

中国に関するその他の記事

  1. 中国リサイクル市場の概要
  2. 中国リサイクル企業の現状と今後
  3. 明確な基準の制定による質の向上と淘汰
  4. 中国における炭素排出権取引市場の解説