日本の廃棄物の現状

まずは現状の廃プラスチックを含めた「産業廃棄物」の処理状況からみていきたいと思います。
産業廃棄物(産廃)とは、建設現場・畜産農場・工場などの事業活動から排出される廃棄物で、廃プラスチックも含め日本の産廃の排出量は、2019年度で年間約4億トン弱となります。その内の約2%が廃プラスチック類となっております。

また一般廃棄物と言われる家庭や店舗、事務所などから出る廃棄物の量は2020年度には4,167万トンであり、生活系ごみが3,002万トン、事業系ごみが1,165万トンと、生活系ごみが全体の70%を占めていて、その内、約15%がプラスチック類で占めております。

廃プラスチックの処理の内訳としては、2021年度の廃プラスチックの総排出量は824万トンとなっており、その内、87%の717万トンがリサイクルされ、残り13%の107万トンが単純焼却もしくは埋め立てで未利用の廃プラとなっております。87%がリサイクルとなっておりますが、その内、サーマルリサイクルが約510万トンで全体の6割を占めており、本来の素材としてのリサイクルとなるマテリアルリサイクルや、ケミカルリサイクルは約200万トンで2割ほどになっております。
サーマルリサイクルとは、廃棄物を焼却処理した際に発生する熱・排ガスの再利用であり、ごみ焼却熱で作られる蒸気により発電がなされており、2020年度では238万世帯当たりの年間エネルギー消費量の電力を賄える量の発電がされております。また廃プラスチックと古紙とを混ぜ合わせ、RPFと呼ばれる固形燃料にし、石炭やコークスなどの代替燃料として使用されることもあります。ちなみにEUでは他のリサイクルと区別するためにサーマルリサイクルと言わず、「エネルギーリカバリー」と言われることがあります。

一般社団法人プラスチック循環利用協会 ,参照_2023.3.14.
https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf2.pdf

廃プラの処理状況としては、2000年度の廃プラ総排出量997万トンの内、埋立量298万トン、リサイクル量が461万トンに対し、2021年度の廃プラ総排出量は824万トンの内、埋立量45万トン、リサイクル量が717万トンと、埋立量が減少し、リサイクル量も大幅に増えておりますが、サーマルリサイクルの割合が全体の32%から62%へと圧倒的に増えております。前回のコラムでも触れた「プラスチック資源循環戦略」にありました通り、日本は2030年までに6割リユース、リサイクルという目標を設定しており、2035年までにはサーマルを含め、リサイクル100%を国の目標としております。現状25%がリユースリサイクル、75%がサーマルリサイクル・埋め立て・焼却となっておりますので、先ほどの目標からはまだまだ乖離があるのが現状となります。

日本における廃プラスチック活用に向けた動き

プラスチックの有効利用に向け、2020年に経済産業省は「循環経済ビジョン2020」を取りまとめております。従来の資源の流れは下図の中で黒色の線で表されており、大量生産・大量消費・大量廃棄の一方通行の経済であり、線形経済と言われております。それに対して、国としては赤色の線で描かれている、あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を図る経済である「循環経済」を進めようとしております。資源を利用して生産、販売するのが「動脈企業」で、使用済み製品や素材などを再資源化して、動脈連鎖に再び投入するのが「静脈企業」と言われており、その動静脈企業の連動を国として進めようとしております。また再資源化のみでなく、徹底的なメンテナンスやシェアリングにより、製品を長期間使い倒すというのも、資源有効利用の一つの在り方となります。

経済産業省.「循環経済ビジョン2020」,参照_2023.3.14.
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200522004/20200522004-1.pdf

また直近では、「プラスチック資源循環促進法」も2022年4月から施行されました。この法には、ワンウェイプラスチックの削減であったり、環境配慮設計に関する指針に基づいて製品認定する仕組みを設けたり、製造販売事業者による自主回収を促進する仕組みなどが盛り込まれており、民間企業や自治体がより一層、循環経済に向け動いていくための、環境整備が進められております。
日本では、「プラスチック資源循環戦略」のマイルストーンのとおり、2030年までにワンウェイプラスチックを、これまでの努力も含め、累積で25%排出抑制を目指しており、プラスチック資源循環促進法のもと、飲食店やコンビニ、スーパーなどの店頭で配るプラスチック製のストロー、フォークマドラーのほか、ホテルが提供するヘアブラシや歯ブラシ、クリーニング店のハンガーなど、12品目のワンウェイプラスチックの使用量削減が義務付けられました。

環境省 プラスチック資源循環促進法概要 ,参照_2023.3.14.
https://www.env.go.jp/content/000050286.pdf

パッケージの環境配慮設計とは

プラスチックの資源循環を促進するためには、プラスチック使用製品の設計段階における3R+Renewableの取組が不可欠であり、プラスチック資源循環促進法では、あらゆるプラスチック使用製品の製造事業者等が取り組むべき事項、及び配慮すべき事項を定められております。具体的には「構造」という点においては、プラスチックの減量化や包装の簡素化やリサイクルのし易い単一素材化などがあります。また「材料」という点においては、プラスチック以外の素材の使用や、再生利用が容易な素材の使用、再生プラスチックの利用や、植物由来のバイオマスプラスチックの利用が挙げられます。

環境省.「プラスチック資源循環促進法概要」,参照_2023.3.14.
https://plastic-circulation.env.go.jp/about/pro/seido

先ほどのワンウェイプラスチックの削減という点では、プラスチックストローの紙ストロー化や、バイオマスプラスチックを使用したスプーン・フォークなどがコンビニで採用されております。また食品包装においてもバイオマスプラスチックを採用したおにぎりやパンの包装や、従来の巾着袋を廃止しプラスチック減を実現したソーセージのパッケージ、また紙包装化されたお菓子のパッケージなどもよく見かけられるようになりました。また、リサイクルし易くするために単一素材化(モノマテリアル化)するというのも、環境配慮設計として検討が進められています。
環境配慮設計については、国としても指針を出しておりますが、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会の会員団体などでも、自主基準を設けて具体的な事例を挙げるなどしています。
当社でもこのような環境配慮設計包材を実現する為、減容プラや、モノマテリアルパッケージの開発なども行っておりますので、ご興味のある方は是非お気軽にお問い合わせ下さい。