マテリアルリサイクルを進める企業として
プラスチック製品を製造している工場で発生する不良品や、「だんご」と呼ばれる生産開始・停止時に発生するプラスチックの塊、またストレッチフィルムなどの梱包・副資材や、事業所で発生する使用済プラスチック製品などは、プラ資源として再生することができます。
セイコーインターナショナルは、1997年に創業し、廃棄されるプラスチックの有価買取から再生加工、そして販売までを、高い透明性(トレーサビリティ)を貫いて営業しており、お客様の会社ロゴがついたまま回収された廃品が不法投棄される等のリスクを排除した、「正しいリサイクル」を自負しております。
2018年からは千葉県東金市の千葉PDCと、長南町の関東第一工場で粉砕・造粒し、再生プラスチックのペレットを生産しています。
ゼロエミッションと循環型社会の形成に取り組んでいます。
(株)セイコーインターナショナル
持続性を可能にするプラスチックの分別のすすめ
一言でプラスチックといっても100種類くらいあるのをご存じでしょうか?
ポリ袋や包装に使われるPPやPEなどのオレフィン系、家電によく使われるABSやPSなどのスチレン系、自動車のライトのPCやPMMAなどの透明なもの、繊維ではPAやTPU等、多種多様にあります。
セイコーインターナショナルは、プラスチックの種類毎に分別されたプラ資源を回収し、粉砕またはプレスして減容し、ペレット化して再生原料として国内外に循環させています。
プラスチックは産業廃棄物として処理すれば費用がかかりますが、選別・分別すれば有価資源として売買ができます。プラスチックは正しく取り扱えばエコと経済性の両立が可能です。
しかし、プラスチック資源を再生するためには種類ごとの分別が必要であるものの、設備等で自動で100%分けることが現在の技術では厳しい現状です。
また、回収された素材を人の手で分別することにも限界があります。
分別が完全に行なわれないと、異材や異物が混入してしまい、再生後の物性が低下します。
具体的には機械的な強度が下がり脆くなってしまったり、全く違う樹脂が混入すると混ざらないために層が剥離したり、再生品化する際に用途が限られるなど、再利用の妨げになります。
分別されず混ざれば価値がなくなってしまいます。
企業や自治体の取り組みへの希望
その様な課題がある中、2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行されました。
プラスチック製品の設計から販売、使用と廃棄処理の全体を通して 3R+Renewable を推し進め、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行が進む中で、分別回収を見越した取り組みが実践されていくことを期待しています。
単一素材での製品設計をメーカーが取り組んで行くことで、今後は複合素材で出来たものが減り、よりリサイクルしやすい製品が流通していくことになります。
複合素材は、二色成形品(ボタンや歯ブラシ・ペンなどに見られる、本体となる硬いプラスチックと柔らかいエラストマーがくっつけられたもの)や、プラスチックとゴムや金属等が接合されたもの等で、素材ごとに分解することが困難なものです。
バイオマス素材は素晴らしいものと思いますが、自然由来とは言え、プラスチックに木粉・セルロースファイバーや古米などを充填することでリサイクル性の低下を免れません。
実は白色のレジ袋にはPEに炭酸カルシウムが充填されています。また印刷されたフィルムも再生しにくく、価値が高くなりません。
この様にプラスチックの使用状況は単純ではないものの、我々は持続的な社会を構築するために、技術革新や企業努力でリサイクル比率を高め、資源を循環させていくことに意義があるのです。
The age of the plastic
前述の通り、プラスチックには多くの種類がありリサイクルの事実はあまり知られていません。そして、分別するにもそれなりに勉強する必要があります。
中古車と同じで、改造されたカスタム品ではなく、標準のノーマル車で事故もなく、程度の良いものに高値がつくように、プラスチックの再生原料も、単一でピュアなものが高値で取引されます。
人がプラスチックの利用、処理に誤りがあるのではないでしょうか?
今まで述べてきた内容を理解した上で、企業がプラスチックを産業廃棄物として廃棄することは、環境汚染を起こしていることと同様です。
正しく分別し、マテリアルリサイクルによって環境問題を低減することで、社会貢献につながり、尚且つサーキュラーエコノミーも創出されます。
そして、より健全なSDGsに繋がると信じています。
今、私たちは、プラスチックを理解し、正しく取り扱うことが必要な時代にいるのです。