カーボンニュートラルとは

日本が『2050年までにカーボンニュートラルを達成する』と表明していることは、このシリーズの①でも書きましたが、念のためお伝えしますと「カーボンニュートラル」とは、CO2をはじめとする「温室効果ガス(GHG)」の排出を全体としてゼロにすることを言います。
「全体としてゼロにする」というのは、私たちが生活したり、企業が事業を行なう上で必ず排出されるCO2を、植林や森林管理などによる人為的なCO2の吸収により相殺し、実質的にゼロにするということです。

環境省.「脱炭素ポータル」,出典_2023.5.15
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/#to-why

どうして「GHG排出量削減」なのか

当然ながら、排出量が吸収量を上回っている場合、吸収を増やすか、排出を減らすかをしなければなりません。環境省の発表によると、日本のGHG排出量(2021年度)は 11億6,960万トン で、一方の吸収量は 4,760万トン となっており、排出と吸収の差は25倍近くあります。

GHG排出量のほとんどは、企業の事業活動(製造などの産業、運輸、業務)での電気や熱のエネルギー消費と、企業によるエネルギーの生産によって発生する「CO2」となっていますが、実は私たちの家庭からも、CO2排出量全体の15%近くが発生しています。
カーボンニュートラル達成のために、企業は事業活動を行なわない、私たちは生活をしない、というわけにはいかないので、エネルギー消費を削減する取組みや、CO2を排出しない再生可能エネルギーの生産や利用を行なうなどして、GHGの排出量を減らそうとしているのです。

環境省.「2021年度温室効果ガス排出・吸収量(確報値)概要」,出典_2023.5.15
https://www.env.go.jp/content/000128749.pdf

どうして「CO2排出量削減」なのか

冒頭では、カーボンニュートラル達成のために「CO2をはじめとするGHGを削減」と書いておきながら、上段ではすっかり「CO2削減」の話しになっていますが、実際以下の表のように、GHG(温室効果ガス)と呼ばれるガスの75%をCO2が占めています。

全国地球温暖化防止活動推進センター.「温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量」,出典_23.5.15
https://www.jccca.org/download/13267?dls=bJoEnH#search



一方で、CO2ほどではないとは言え「メタン」もそこそこの割合を占めており、「フロン類」においては割合は低いものの、以下の表のように「温暖化係数」は桁違いに高くなっています。

全国地球温暖化防止活動推進センター.「温室効果ガスの特徴」,出典_23.5.15
https://www.jccca.org/download/13266?dls=bJoEnH#search



ところがフロン類・メタンの削減は、「脱炭素」のように、そこかしこで取組まれているわけではありません。
その理由として、
 ✅ フロン類は発生源が限られており、使用規制や代替手段などの対策が立てられている
 ✅ メタンは自然環境から発生する割合が多く、またエネルギーとしての積極利用が進んでいる
といった状況があります。

次に生まれる疑問

今回はカーボンニュートラルと温室効果ガス(GHG)の関係、およびGHGの中のCO2の位置付けについてご紹介してきましたが、こうして見ますと、
 □ どうして2050年までにカーボンニュートラルを達成しないといけないのか
 □ 達成できない場合に、地球温暖化が進んでしまうとどうなるのか
 □ どうしてCO2が地球を温暖化させるのか
といった疑問が次々に出てきます。これらについては、また次回整理していけたらと思います。