どれくらい地球は「温暖化」しているのか

実際に地球はどのくらい温暖化しているのでしょうか? 世界気象機関(WMO)によると、2011から2020年の10年間の世界の平均気温は、1850年から1900年の平均と比べ、1.09℃ も上昇しているそうです。
『地球全体が200年弱の間に 1℃ 上がっている』と想像してもあまり実感が湧かないかもしれませんが、身近なところでは「盆地の夏は暑い」の代表格である京都市の平均気温は、過去100年の間に 2℃ も上昇していると発表されています。

京都府地球温暖化防止活動推進センター.「京都の年平均気温」,出典_2023.5.25
https://www.kcfca.or.jp/download/download-9514/

どうして「温暖化」が進んでいるのか

温暖化の原因は、産業革命以降の工業化によるエネルギー消費(化石燃料の燃焼)に伴う、大気中の温室効果ガス(GHG)の増加によるものと言われています。太陽光によって温められた地表から赤外線が発せられ、大気中のGHGがそれを吸収し再び放出することで、地球全体が温かくなるというメカニズムです。
GHGが増加することで、吸収され放出される赤外線が増え、快適だった温室の温度が上昇していっていることでさまざまな問題が起こっているのです。

本コラム本編の方で少し触れましたが、国際的組織「IPCC」(Intergovernmental Panel on Climate Change)は、1990年の第一次報告以降、数年おきにまとめている報告書の中で、回を追うごとに「人間の活動によるGHG排出量の増加と気候変動との関連」は、『物理的根拠に基づき間違いない』とする主張を強めています。
こうした流れの中で、IPCCは2018年の「1.5℃特別報告書」で、地球温暖化(世界平均気温の上昇)を1.5℃以内に抑えるには、GHG排出量を2030年までに2010年比▲45%まで削減し、2050年までに実質ゼロにする必要があると報告しているのです。

※「GHG削減」「CO2削減」については前説1をご覧ください。

全国地球温暖化防止活動推進センター.「これまでの報告書における表現の変化(IPCC報告書)」,出典_23.5.25
https://www.jccca.org/download/42982?dls=y5GO0f#search

なぜ「カーボンニュートラル」が必要なのか

ではなぜ地球温暖化「1.5℃以内に抑える」ことを目標としているのでしょうか? そしてなぜ「2050年までにカーボンニュートラル」となることで達成されるのでしょうか?
これはいくつものシミュレーションの結果たどり着いたもので、2021年のIPCC「第6次報告書」にて、気温上昇を1.5℃以下にできる「大気中のCO2濃度」を維持するには、「累積CO2排出量」を 2兆8000億トン に抑える必要があると発表しています。

2019年時点での累積が 2兆4000億トン なので、残りは 4000億トン となりますが、それを使い切ってしまうまでのタイムリミットとして「2050年」が設定されているのです。
カーボンニュートラルに向けたCO2の削減は、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)に参加する多くの国で取り組まれていますが、各国の経済情勢や人口動態はさまざまです。すべての国がそれぞれの豊かさを求めつつ、一律に同じ削減計画を立て、実行することは困難です。それらの事情を踏まえ、シミュレーションし倒した末、2030年までに2010年比▲45%、2050年までに実質ゼロ というベストシナリオが描かれたのです。

全国地球温暖化防止活動推進センター.「CO2累積排出量と気温上昇量の関係」,出典_23.5.25
https://www.jccca.org/download/42990?parent=chart&chart_slug=&photogallery_slug=&keyword=#search

ベストシナリオとのGAPにどう立ち向かうか

上段で「2050年カーボンニュートラル」を『ベストシナリオ』と言いましたが、このシナリオは、まだコロナ禍を経験するかしないかの時にスケッチされており、その後の経済の混乱や、ロシア・ウクライナ問題も合いまったエネルギーの逼迫などは知る由もありません。これらがどれほどシミュレーションとの差を生むのか、これから明らかになっていきますが、想定されなかった事態がパラダイムシフトを加速させていることも事実だと思います。

plaplatでは引き続き、カーボンニュートラルに向かう世の中の動きと、カーボンニュートラル達成の術となるソリューションを集め、皆様とおつなぎして参ります。