大気中のGHG濃度の変化

少しおさらいになりますが、18~19世紀(産業革命以前)の時代と比べた地球の平均気温の上昇幅を「1.5℃以内」に抑えるために、日本が目指す「カーボンニュートラル」には、「2030年までに2010年比▲45%、2050年までに実質ゼロ」という数値目標があります。

IPCCの2018年報告によれば、産業革命以前と比べ、現時点で既に 1.1℃ 上昇してしまっています。これには大気中の温室効果ガス(GHG)の濃度が関係しており、人間の数とともに、人間の活動や資源の消費が増え、排出されるCO2が増えたことによって、大気中のCO2濃度が高まり、結果気温が上がっているのです。

全国地球温暖化防止活動推進センター.「大気中の二酸化炭素濃度の推移(緯度別)」,出典_23.6.23
https://www.jccca.org/download/13268?parent=chart&chart_slug=&photogallery_slug=&keyword=#search



ちなみに産業革命以前の大気中のCO2濃度は 280ppm と言われており、それが今では上の図のように、高いところでは 420ppm にまで上昇しているのです。

象徴的な温暖化影響と付随する問題

地球温暖化による気候変動現象として、『氷河が解けて海水面が上がり、海抜の低い土地が水没する』という話しは、昔からよく聞かれていたかと思います。
この問題は、海抜の低い国の人々が住む土地失ってしまうという象徴的な問題とともに、高潮や洪水などの自然災害の増加、耕作地の減少による食料不足、海水が河川に逆流したり、地下水が塩水化することにより飲料水や産業用の取水量が減少するといった、世界中の人々の暮らしや経済にさまざまな影響を与えると言われています。

全国地球温暖化防止活動推進センター.「気候変動による将来の主要なリスク」,出典_23.6.23
https://www.jccca.org/download/13171?parent=chart&chart_slug=&photogallery_slug=&keyword=#search

温暖化の進行レベルと影響の度合い

言わずもがなではありますが、このままCO2の排出を続けていくと、大気中のCO2濃度と比例して温暖化が加速していき、上段の問題の深刻さは増大していきます。
この問題を認識した世界の国々が集い「気候変動枠組条約」が策定され、先ずは先進国でのCO2排出量削減目標が決められた1997年の「京都議定書」と、その後先進国以外の条約加盟国での削減目標が決められた2015年の「パリ協定」のちょうど中間点となる2006年に、イギリスで「スターン・レビュー」が発表されています。

この報告書では、地球温暖化による経済損失、その対策方法や実施すべき時期、かける費用などが提言されており、何も対策をしない場合に起こるワーストシナリオと、早期かつ強力に対策をとった場合に発生する問題などが指摘されています。
以下は全国地球温暖化防止活動推進センターがまとめられた、スターン・レビューで予測されている平均気温の上昇幅と、発生する問題の関係性の図です。

全国地球温暖化防止活動推進センター.「気温が高くなったときの影響」,出典_23.6.23
https://www.jccca.org/download/13322?parent=chart&chart_slug=&photogallery_slug=&keyword=#search

早期かつ強力な対策の必要性

2006年に発表されたスターン・レビューでは、『2050年までに大気中のGHG濃度は550ppmに達し、しばらく上昇を続ける』とされています。
早急かつ強力に対策したとしても、これまで排出してきたGHGの蓄積により、ただちに地球温暖化を抑制することはできないのです。
その後、温暖化を2℃未満に抑えるために、2100年のGHG濃度を450ppm未満で安定化させるという数値目標が出たり、そこから更に、持続的な発展を続けるには、1.5℃以内に抑えなければならないという目標の修正が行なわれました。
議論や研究は今も続けられており、さまざまな対策が検討・実施されています。

今後も引き続き、カーボンニュートラルに向かう世の中の動きと、達成の術となるサステナソリューションをお伝えしていけたらと思います。